年末調整の基礎控除とは?2020年以降の改正内容や申告書類まとめ

公開日:2020年9月29日

2020年1月の基礎控除改正により、2020年(令和2年)の年末調整業務の一部手続きが変更されました。

この記事で分かること

  • 2020年からの基礎控除改正内容
  • 基礎控除に必要な書類のダウンロード先
  • 年末調整にかかる時間を100時間減らす方法
  • 変更に伴う想定トラブルと対処方法

2020年の年末調整では、以下のポイントを意識すると理解が深まります。

この記事で意識しておきたいポイント

  • 合計所得金額2,500万円以下の従業員、扶養親族のいる従業員は原則として全員対象となる
  • 年末調整の基礎控除変更に伴い他の要件も変更されている

 
以下で詳しく解説します。

年末調整の基礎控除とは

年末調整の基礎控除とは

基礎控除とは、納税者の所得額から差し引かれる所得控除の一種です。
課税対象の所得額が減り、節税につながります。

基礎控除以外の所得控除

基礎控除のほかに13種類の所得控除があります。
原則として、申告のない限り控除を受けることはできません。

名称 対象 控除額
雑損控除 災害や空き巣の被害に遭った場合 差引損失額−総所得金額等×10%
医療費控除 1年間で10万円以上の医療費がかかった場合 ・支払った医療費−10万円
・支払った医療費−総所得金額等×5%(申告所得200万円以下の場合)
社会保険料控除 健康保険料、年金保険料、介護保険料等を負担している場合
配偶者、扶養親族分を含む場合
1年間に支払った全額
小規模企業共済掛金控除 小規模企業共済、個人型拠出金に加入している場合 1年間に支払った全額
生命保険料控除 生命保険、個人年金、介護医療の保険料を支払った場合 ・支払った額から算出
・各4万円、合計12万円が上限
地震保険料控除 地震保険等の損害保険料を支払った場合 ・支払った額から算出
・上限5万円
障害者控除 本人もしくは家族が障害者の認定を受けている場合 ・27万円
・特別障害者は40万円
・同居特別障害者は75万円
(それぞれ1人につき)
寄附金控除 国、地方公共団体、NPO法人等に寄付した場合 ・特定寄附金の額−2,000円
・総所得金額等×40%ー2,000円
・上記の多い方
寡婦(寡夫)控除 本人が配偶者と離婚または死別した場合 ・27万円
・特別の寡婦(※)は35万円
勤労学生控除 本人が勤労学生に該当する場合 27万円
(合計所得金額65万円以下等の条件あり)
配偶者控除 本人に配偶者がいる場合 ・38万円
・70歳以上の配偶者は48万円
配偶者特別控除 本人の所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が38万円〜76万円未満の場合 原則38万円
扶養控除 扶養親族のいる場合 ・1人につき原則38万円
・年齢・同居の有無で38万円〜63万円

【参考】国税庁 所得金額から差し引かれる金額(所得控除)

補足情報

※特別の寡婦とは、以下3条件をすべて満たす場合
  • 夫と離婚または死別後に再婚していない人、夫が生死不明の人
  • 扶養親族の子がいる
  • 合計所得金額500万円以下

【参考】国税庁 No.1170 寡婦控除

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住民税における基礎控除との違い

基礎控除額は38万円、33万円の2種類ありますが、それぞれ使用する場面が異なります。

  • 38万円:所得税の計算に使用
  • 33万円:住民税の計算に使用

基礎控除と給与所得控除の合算を超えた分が課税対象となります。

2020年の年末調整における基礎控除の改正内容

2020年の年末調整における基礎控除の改正内容
令和2年(2020年1月1日〜12月31日)から基礎控除が改正されました。

改正のポイント

  • 所得税の基礎控除が38万円→48万円に
  • 住民税の基礎控除が38万円→48万円に
  • 合計所得2,400万円以上で控除額が少なくなる
  • 合計所得2,500万円以上で控除を受けられなくなる

所得税の基礎控除額

個人の合計所得金額 改正前控除額 改正後控除額
2,400万円以下 38万円 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0万円

住民税の基礎控除額

個人の合計所得金額 改正前控除額 改正後控除額
2,400万円以下 33万円 43万円
2,400万円超2,450万円以下 29万円
2,450万円超2,500万円以下 15万円
2,500万円超 0万円

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基礎控除を受けるために必要な手続き

基礎控除は、原則として全従業員が対象です。
ただし、合計所得金額を把握するため、従業員に「給与所得者の基礎控除申告書」を提出してもらう必要があります。
令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書を使用します。

・提出期限
当年の最後に給与等を支払う前日
・提出先
管轄の税務署
(税務署長から求められた場合)

※国税庁の公式HPからのダウンロードとなります。

基礎控除の変更に伴い見直される要件

配偶者・扶養親族等の合計所得金額の要件も見直されています。
それぞれの項目で10万円引き上げられています。

扶養親族等の区分 合計所得金額要件
改正前 改正後
同一生計配偶者及び扶養親族 38万円以下 48万円以下
源泉控除対象配偶者(※) 85万円以下 95万円以下
配偶者特別控除の対象となる配偶者 38万円超123万円以下 48万円超133万円以下
勤労学生 65万円以下 75万円以下

補足情報

※源泉控除対象配偶者とは、合計所得金額が900万円以下の給与所得者と生計を一にする配偶者の合計所得金額が95万円以下であること。

【参考】国税庁 各種控除等を受けるための扶養親族等の合計所得金額要件等の改正(令和2年分以降)

年末調整の基礎控除変更に伴うトラブルと対策

年末調整の基礎控除変更に伴うトラブルと対策

これらの変更に伴い、年末調整手続きでトラブルが発生することが想定されます。

改正に伴い想定されるトラブル

  • 申告書チェックおよび手続きの工数増加
  • 従業員への書き方指導や問い合わせ対応
  • 申告ミスによる金銭トラブル
  • 今後の法改正に伴う再対応

このようなトラブルにも対処できるよう、事前に以下のような対処方法を検討しておきましょう。

トラブルの対処方法

  • 対象の従業員への説明および書類提出の促し
  • 人的ミス防止、業務簡略化のため電子申請システムの導入

 

年末調整業務はクラウドで効率化

オフィスステーション年末調整システムなら、改正にも対応。従業員に2ステップで申告データをかんたんに作成してもらえ、人事労務担当者の業務が自動化できます。

年末調整の基礎控除の内容と2020年以降の変更点:まとめ

年末調整の基礎控除の内容と2020年以降の変更点:まとめ

2020年(令和2年)の改正により、基礎控除額が10万円引き上げられ、ほとんどの従業員が変更の対象となります。

改正による変更点

  • 基礎控除額(所得税・住民税)10万円引き上げ
  • 合計所得金額2,500万円以下は原則対象
  • 配偶者・扶養親族の各種控除も10万円引き上げ

想定できるトラブルを防ぐため、人事労務担当者の方は、適切な対処を行っておきましょう。

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