基礎知識

年末調整の納付書とは? 入手や記入の方法、提出先や期限などを解説

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年末調整の納付書(所得税徴収高計算書)とは

年末調整の計算後、不足額や過納額の精算が終わったら、年末調整をおこなった月分の納付書(所得税徴収高計算書)に内容を記載したうえで、税務署に提出する必要があります。

この記事で分かること
  • 所得税徴収高計算書(納付書)の取得方法や提出方法
  • 納付税額が0円または還付しきれない場合の納付書作成・提出方法
  • 年末調整の納付書作成や提出業務を効率化する方法

年末調整の納付書の作成・提出方法においては、以下のポイントを意識すると理解が深まります。

この記事で意識しておきたいポイント
  • 所得税徴収高計算書は、納付する税額が0円の場合でも提出する義務がある
  • 期限までに納付されない場合、延滞税や不納付加算税などを負担しなければならないことがある

以下で詳しく解説します。

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年末調整の納付書(所得税徴収高計算書)とは

年末調整における納付書である『所得税徴収高計算書』とは、事業主が源泉所得税を納付する際に使う納付書です。
年末調整の計算が終わり、不足額や過納額の精算をした場合、その内容を所得税徴収高計算書に記載したうえで納付しなければなりません。

所得税徴収高計算書の様式には、以下の2種類があります。

[所得税徴収高計算書の種類]

  • 一般用の所得税徴収高計算書
  • 納期特例分の所得税徴収高計算書

通常は、一般用の所得税徴収高計算書の様式を使用します。

様式及び記載要領をダウンロード PDF(730KB)

※国税庁の公式HPからのダウンロードとなります。

納期特例が適用される場合は、納期特例分の所得税徴収高計算書の様式を使用します。

様式及び記載要領をダウンロード PDF(711KB)

※国税庁の公式HPからのダウンロードとなります。

納付書(所得税徴収高計算書)の入手方法

所得税徴収高計算書の用紙は、所得税の徴収高計算書と納付書が複写式で一体になっています。
源泉所得税を納付している場合、通常は事業主宛に郵送されます。
所得税徴収高計算書が郵送されない場合、紙面またはデータで自ら入手することもできます。

[紙面入手の方法]

  • 所轄の税務署窓口で入手する
  • 所轄の税務署に連絡をして郵送で取り寄せる

[データ入手の方法]

  • e-taxを利用する

税務署から紙面の所得税徴収高計算書を入手する際は、「一般用」と「納期特例用」のどちらの様式が必要なのか、間違いのないように伝えましょう。

納付書(所得税徴収高計算書)の提出先

所得税徴収高計算書は、年末調整後に納付額がある場合と、還付が発生した場合(納付税額が0円だった場合)とで提出先が異なります。

[年末調整後に納付が必要となった場合]

  • 金融機関で所得税の納付と同時に提出する

[年末調整後に還付が発生した場合(納付税額が0円だった場合)]

  • 所轄の税務署窓口に紙面を持参して提出する
  • 所轄の税務署に郵送で紙面を提出する
  • e-taxでオンライン提出する

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納付書(所得税徴収高計算書)の提出期限

所得税の納付方法によって、所得税徴収高計算書の提出期限が異なります。

[一般の納付の場合]

  • 給与などを支払った月の翌月10日まで

[納期特例の適用を受けている場合]

  • 1月~6月支払分は7月10日まで
  • 7月~12月支払分は翌年の1月20日まで

期限までに納付できなかった場合、延滞税や不納付加算税などを負担しなければならないことがあります。

年末調整で納付税額が0円だった場合の対応

年末調整後、納付税額が0円だった場合(源泉所得税の納付書において、年末調整還付の金額の方が多い場合)でも、納付税額が0円の納付書を所轄の税務署に提出する義務があります。

納付書(所得税徴収高計算書)の特例納期

納付税額が0円の場合、条件を満たせば、『源泉徴収に係る所得税の納期の特例』が適用され、所得税徴収高計算書の提出が年2回で済みます(1月~6月支払分は7月10日まで、7月~12月支払分は翌年の1月20日まで)。

[特例を受けるための条件]

  • 給与の支給人員が常時10名未満の事業主
  • 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出した事業主

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を使用します。

様式及び記載要領をダウンロード PDF(104KB)
※国税庁の公式HPからのダウンロードとなります。

特例の要件に該当しなくなった場合(給与の支給人員が10名以上となった場合など)には、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出しなければなりません。

源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書を使用します。

様式及び記載要領をダウンロード PDF(110KB)

※国税庁の公式HPからのダウンロードとなります。

年末調整をおこなった月分の徴収税額だけでは還付しきれない場合の対応

年末調整で従業員への還付が発生した場合、年末調整後に納付する『給与、退職所得及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われた報酬・料金に対する源泉徴収税額』から差し引いて順次還付し、納付税額が0円の納付書を税務署に提出します。
次に、還付しきれなかった金額を、次の月の納付所得税額から相殺します。

過納額があった場合、通常は年末調整をおこなう12月に徴収税額との相殺によって還付しますが、2月末までに過納額が残っている場合(還付しきれなかった場合)は、還付請求書を作成して必要書類を添付し、税務署に還付申請をおこなうことで還付を受けることができます。

源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書を使用します。

様式及び記載要領をダウンロード PDF(237KB)

※国税庁の公式HPからのダウンロードとなります。

年末調整の納付書(所得税徴収高計算書)の記入方法

年末調整の納付書(所得税徴収高計算書)の記入方法

所得税徴収高計算書の記入方法は以下のとおりです。

所得税徴収高計算書の記入方法
  • 年度:会計年度(毎年4月1日~翌年3月31日)を記載
  • 納期等の区分:給与を支払った年月を記載(納期特例の場合、特例期間の最初と最後の支払年月を記載)
  • 税務署名:所轄の税務署名を記載(税務署番号の記載は必要なし)
  • 整理番号:事業主の整理番号を記載
  • 支払年月日:実際の支払年月日を記載(納期特例の場合、納期等の区分欄に記載した期間内の最初の支払年月日と最後の支払月日を記載)
  • 人員:各項ごとに各月の実人員(従業員数)を記載
  • 支給額:支給した給与の総額(源泉徴収前の総額)
  • 税額:不足税額、過納税額
  • 合計額:項目ごとの税額を足した合計額を記載

【参考】一般用の所得税徴収高計算書(第3片裏面)

▼記載例

【参考】国税庁 年末調整のしかた 税額の納付と所得税徴収高計算書(納付書)の記載

[補足情報]
金額を書き損じた場合、修正印での対応は不可のため、新しい所得税徴収高計算書に書き直す必要があります。

オンライン提出(e-tax)の場合の対応

e-taxでオンライン提出する場合は、国税電子申告・納税システム(e-tax)にアクセス・ログインし、必要な項目を入力して作成したデータをe-taxに送信します。

e-taxでオンライン提出する場合の入力項目
  • 会計年度
  • 税務署名
  • 納付の目的
  • 支払年月日、支払確定年月日
  • 人員
  • 支給額
  • 税額
  • 年末調整による不足税額または年末調整による超過税額
  • 本税、延滞税、合計額
  • 徴収義務者の住所(所在地)、氏名(名称)、電話番号
  • 摘要(所得税法第9条第1項第3号に該当する増加恩給や遺族年金など、所得税が課されない場合の人員及び支給額などを記載する)

▼記載例

【参考】国税庁 e-Tax源泉所得税及復興特別所得税の納付手続

送信後、メッセージボックスに格納された納付区分番号通知を開いて番号を確認し、納税手続きをおこないます。

e-taxで所得税徴収高計算書データを送信しただけでは納付とならないため、必ず納税手続きをおこないましょう。ダイレクトでの納付だけでなく、インターネットバンキングやATM等から電子納税することも可能です。

年末調整の納付書の作成・提出で想定されるトラブルと対応策

年末調整の納付書の作成・提出で想定されるトラブルと対応策

年末調整の納付書の作成・提出をおこなう際、以下のようなトラブルが想定されます。

年末調整の納付書の作成・提出で想定されるトラブル
  • 計算ミスによる納付書の提出・納税漏れ
  • 納税が間に合わない場合の延滞税や不納付加算税などの税負担
  • 紙面の納付書の書き損じによる労務担当者の工数の増加

このようなトラブルへの対応策として、次のことを検討しておきましょう。

トラブルへの対応策
  • 計算ミスや不備防止のための二重チェック、クロスチェック体制づくり
  • 年末調整クラウドシステム導入による納付書作成・提出業務の効率化

年末調整の納付書の作成・提出方法:まとめ

年末調整の納付書の作成・提出方法:まとめ

年末調整の納付書(所得税徴収高計算書)の作成・提出は、忘れずにおこないましょう。

年末調整の納付書の作成・提出方法
  • 年末調整の納付書の提出方法には「一般用」と「納期特例」の2種類がある
  • 納付書は税務署窓口か郵送、e-taxで入手可能
  • 納期特例の適用が受けられるのは、給与の支給人員が常時10名未満かつ申請書提出済みの事業主
  • 納付書は、納付する税額がゼロの場合でも提出する義務がある
  • 期限を過ぎると、延滞税や不納付加算税などの負担の可能性がある

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納付書入手や提出のために税務署窓口に出向く必要がなくなり、労務担当者の業務効率が大幅にアップします。

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