年末調整での還付金の時期は?還付金が増えるパターン、減るパターンも解説!

公開日:2018年7月12日

年末になると、「今年は年末調整の還付金をいくらもらえるんだろう? 」という話題が出ることがあります。経理まで問い合わせてくるような、せっかちな方もいるかもしれません。しかし 、還付が必ず発生するわけではありません。よって、従業員に余計な期待を持たせないためにも、安易に還付金が発生するという発言は控えましょう。この記事では、還付の時期だけではなく、還付金が発生しやすいパターン、しにくいパターンについても解説します。

年末調整により還付金を支払う時期

年末調整とは、その年の給与所得に対して、生命保険や地震保険の支払いや配偶者、子供の状況などに応じたさまざまな控除を反映させて、従業員本人に代わって会社がその年の税金を計算する制度です。確定申告の簡易版といったイメージを持っていただければ良いでしょう。

法律上は、年内最後の給与支払日現在の状況によって年末調整をすることになって います。年末調整により計算した従業員のその年の所得税が、それまでに預かった源泉所得税の合計額より少なければ還付しなければいけませんし、多ければ追加で徴収しなければいけません。

したがって、年内最後の給与支払日に、年末調整と同時に還付金を支払う企業が多いのですが、中小零細企業を中心に、1月に入ってから年末調整の手続きを行うケースも見受けられます。なぜなら、年内最後の給与支払日以降に状況が変わった場合、年末調整をもう一度行い、還付金の金額が変わってしまった場合には清算をしなければならないと決まっているからです。

特に、現在では共働き世帯が多いので、1月にならないと配偶者の所得が確定しないケースも多くなっています 。したがって、「年末調整」という名称 ではありますが、従業員から 特に苦情がなければ、1月に入ってから手続きを行うことをオススメします。ただし、年末調整の結果は1月31日までに税務署に届け出なければいけませんので、期限に遅れないように気をつけましょう。

預かっている源泉所得税で還付しきれない場合

年末調整により計算した従業員のその年の所得税が、それまでに預かった源泉所得税の合計額より少なければ、差額を還付しなければいけないことは既にお知らせしました。しかし、還付する金額が多すぎて、それまでに会社が預かって、まだ税務署に納付していない源泉所得税だけでは還付しきれない場合も考えられます。その場合、源泉所得税の全額でも還付しきれなかった 金額は、その後に給与を支払う際に源泉徴収するべき金額と相殺することで還付します。

ただし、あまりに金額が大きいため 、この方法では2月末までに還付しきれない場合には、税務署に支払った源泉所得税を還付してもらう「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額の還付請求」という手続きをする必要があります。この手続きを行う機会はあまり多くありませんが、税務署に指示された書類を添付する必要があるなど、少し手間がかかります。手続きをするにあたっては、 税務署と相談しながら進めるとよい でしょう。

還付が増える可能性が高いパターン

それまで無職だった方がその年の途中で現在の会社に就職した場合、前年までと比較して還付が多くなる可能性があります。なぜなら、毎月給与から源泉徴収されている金額は、その給与を1年間もらい続けることを前提にして計算されているからです。同じ理由で、年の途中で残業が減ったり、基本給が減額されたりした場合にも還付が増える可能性があるでしょう。

また、従業員の配偶者がパートを辞めたり子供が16歳になったりした場合、また従業員が生活の面倒をみている両親が70歳になった場合には、配偶者控除や扶養控除の適用を受けることができますので、還付が増えることが多くなります 。なお、以前は子供が16歳未満でも控除を受けることができましたが、現在は「子ども手当」との調整で廃止されています。

さらに、従業員が未納だった国民年金や国民健康保険を支払った場合には、社会保険料控除を受けることができますから還付が増えるケースが多いでしょう。従業員自身のものだけではなく、従業員の配偶者や子供など、家族の国民年金や国民健康保険も含まれますので注意しましょう。

還付が減る可能性が高いパターン

一方、年内に大幅な昇給をした場合や多額の賞与を受け取った場合には、還付を受け取ることができないどころか追加徴収となる可能性もあります 。

また、それまで働いていなかった、従業員の配偶者や子供が仕事を始めて、 合計所得金額が38万円を超えたとき (アルバイトの場合だと、年収103万円を超えたとき)にも、配偶者控除や扶養控除を受けることができなくなり、還付が減る可能性があります。

なお、「前月の給与の金額(社会保険料等を差し引いた金額)の10倍を超える賞与(社会保険料等を差し引いた金額)を支払う場合」には、賞与から源泉徴収する金額に特例があり、多額の源泉徴収を行う必要があることに注意しましょう。その場合、多額の還付金が発生することが多く、年明けに「年末調整過納額の還付請求」を行う必要が生じることが多いです。業績連動型賞与などを採用する場合には、事前にこれらの制度を確認しておくことをお勧めします。

まとめ

年末調整の還付の時期はその名称のとおり年末に行う と思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれません が、必ずしもそうというわけではありません。1月になってから年末調整を行った方がよい 場合も多いのですが、年内最後の給与支払日に還付金を受け取れるものだと思っている従業員の方と、思わぬトラブルになってしまうことがあります。事前に、年末調整の還付の時期がいつごろになりそうか、通知しておいた方がいいでしょう。

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