勤怠

1881|【勤怠】労働基準法の基礎知識 / 通常の労働時間制の設定例

対象製品
オフィスステーション 勤怠

勤怠管理や給与計算の業務に関連する、労働基準法の基礎知識をまとめました。
後半では通常の労働時間制における設定例をご案内しています。ご参考になさってください。

労働時間

労働基準法では、原則として、1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は40時間以内と定められています。

例外として、変形労働制やフレックスタイム制など、法律で定められた要件を満たせば、週平均40時間以内の範囲内で、1日8時間、週40時間を超えた労働が可能になります。
これらの例外的な働き方と区別して、本記事では1日8時間、週40時間の制約の中で働かせる労働体系を「通常の労働時間制」と呼びます。

注意点
次の特例措置対象事業場については、1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は44時間以内と定められています。
労働者10人未満の、
(1)商業
(2)映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)
(3)保健衛生業
(4)接客娯楽業

参考サイト:労働基準法第32条|e-Gov法令検索(外部サイトが開きます)


休憩

休憩は次のように定められています。

・ 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に
  与えなければいけません。(途中付与の原則
・ 休憩時間は、事業場にいるすべての従業員に同時に休憩を与えることが基本とされています。(一斉付与の原則
  ただし、労使協定の締結をすれば、特定の労働者や部署ごとに異なる時間帯で休憩を取らせることも可能です。
・ 休憩時間中は従業員が完全に労働から解放されている必要があります。(自由利用の原則

参考サイト:労働基準法第34条|e-Gov法令検索(外部サイトが開きます)

補足
休憩は労働時間の途中に与えなければいけないため、退勤時刻に続くような休憩は認められません。
例)退勤予定18:00、休憩17:00~18:00として、17:00で早上がりするなど。



休日

休日は次のように定められています。

・ 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。
・ 休日は、原則として暦日(午前0時から午後12時までの継続24時間をいう)で与えなければなりません。
・ 8時間3交替勤務のような交替制を導入するような場合、要件を満たせば休日は暦日ではなく、継続した24時間を与
  えれば差し支えないとされています。

参考サイト:労働基準法第35条|e-Gov法令検索(外部サイトが開きます)
      労働時間、休憩及び休日|厚生労働省(外部サイトが開きます)

補足
法定休日とは労働基準法で定められている週1回の休日のことです。そのため、土曜日と日曜日が休みの企業において、土曜日に出勤した場合でも、日曜日の休みが確保されていれば、週に1回の休日を与えていることになり、法律違反ということにはなりません。
ただし、就業規則によって、土曜日を法定休日と特定していた場合は、法定休日に働かせたことになりますので、36協定の締結と休日割増手当の支払いが必要となります。


割増賃金

休日は次のように定められています。

種類 支払う条件 割増率
時間外
(時間外手当・残業手当)
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたとき 25%以上
時間外労働が限度時間(1ヶ月45時間・1年360時間)を超えたとき 25%以上(※1
時間外労働が1ヶ月60時間を超えたとき(※2 50%以上(※2
休日(休日手当) 法定休日(週1日)に勤務させたとき 35%以上
深夜(深夜手当) 22時から5時までの間に勤務させたとき 25%以上

(※1)25%を超える率とするよう努めることが必要です。
(※2)中小企業については、2023年4月1日から適用されています。


通常の労働時間制の勤怠管理設定

ここでは1日の所定労働時間が7時間30分、法定労働時間を超えた労働を残業として計上する場合を例に、オフィスステーションにおける設定をご案内します。

雇用区分設定


ホーム画面「設定」内[従業員]>[雇用区分設定]>[+新規登録]をクリックし、以下のように設定後[登録]をクリックします。

基本情報

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番号 項目名 説明
雇用区分コード 任意のコードを入力します。
雇用区分名 正社員など、任意の名称を入力します。
締め日 就業規則に定めた締め日を設定します。
日の契約労働時間[詳細] 所定労働時間を入力します。

時間単位休暇や「休業機能:産後パパ育休制度(出生時育児休業)」を利用する場合は入力が必要です。詳しくはこちらをご参照ください。
なお、日の契約労働時間を分単位で設定した場合は時間単位に切り上げて計算します。


参考サイト:年次有給休暇の時間単位付与(ⅲ)時間単位年休1日の時間数|厚生労働省(外部サイトが開きます)
週の締め日[詳細] 就業規則に定めた締め日を設定します。

企業ごとに任意に設定が可能です。就業規則に定められていればその日、定められていないのであれば、日曜日起算、土曜日締めとなります。
参考サイト:昭和六三年一月一日基発第一号|厚生労働省(外部サイトが開きます)


働き方

「通常の労働時間制」を選択します。

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休憩関連

雇用区分設定の「休憩時間1~3」では、労働時間に応じた休憩の自動取得を設定できますが、就業規則などに休憩開始時間、休憩終了時間を定めている企業が多いため、この自動休憩の設定は行わず空欄とし、パターン設定で休憩時間を設定することをおすすめします。パターン設定での休憩設定方法については、「スケジュール例」でご説明します。

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補足
実態と異なる休憩時間の計上がされてしまう場合の例
半休取得日にスケジュール時間(14:00~18:00)を超えて労働し、スケジュール時間外に休憩を取得したような場合、所定時間から休憩が控除されてしまい所定外が多く計上されてしまいます。



深夜勤務時間

深夜勤務時間[22:00]~[05:00]がデフォルト値として設定されています。そのままの設定で問題ありません。

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日の時間外集計

残業開始時間[8]時間[00]分間がデフォルト値として設定されています。そのままの設定で問題ありません。

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週の時間外集計

週の法定労働時間[40]時間[00]分がデフォルト値として設定されています。そのままの設定で問題ありません。

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月の時間外集計

割増残業:割増し開始時間[60]時間を入力します。
※ホーム画面「設定」内[その他]>[オプション]>「勤怠管理設定」カテゴリ内「割増残業集計機能」が「1段
 階の割増し残業を使用する」または「2段階の割増し残業を使用する」となっていることが前提です。
※割増残業の集計方法の詳細は
こちらでご確認ください。

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休暇関連

「休暇関連」カテゴリ右側の[詳細]>「休暇みなし時間の所定外・残業計算への算入」に「含めない」を選択します。

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補足
労働基準法上では有給休暇の取得時間は実際には働いていないため実労働時間とはみなされません。
実労働時間を計算する際、有給休暇の取得時間を実労働時間として「含めない」設定が法律通りとなります。なお、「含める」設定にして、実労働時間と同等として取り扱うことは、法以上の運用であり、問題はありません。

※実労働時間とは、実際に作業に従事している時間を指します。


パターン設定


詳細は勤怠管理をおこなう場合は、パターン設定することを推奨します。パターン設定によって、主に以下の運用が可能です。

【9:00~17:30勤務、所定労働時間7時間30分】のスケジュール例

ホーム画面「設定」内[スケジュール]>[パターン設定]>[新規登録]よりパターンを作成できます。

基本情報

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番号 項目名 説明
パターンコード パターンを識別するコードを設定します。
パターン名(必須) パターンの名称を設定します。
スケジュール種別 「通常勤務」を選択します。


予定

・出勤予定(コアタイム開始時刻)
 [当日][9]時[00]分を入力します。

・退勤予定 (コアタイム終了時刻)
 [当日][17]時[30]分を入力します。

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休憩予定

・休憩設定1
 開始[当日][12]時[00]分を入力します。
 終了[当日][13]時[00]分を入力します。

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通常の労働時間制の給与計算(日給月給制)

オフィスステーションで給与計算をおこなう場合の設定方法を解説します。
労働時間を法律通りの割増率にあわせた項目に整理するために、カスタムデータ項目設定機能を利用する方法です。
※諸手当の登録については案内を記載しておりません。
※設定の一例となりますので、貴社の就業規則や給与規定をご確認ください。

前提条件

1日の所定労働時間  :7時間30分
年間休日日数     :120日
年間所定時間労働日数 :245日

割増率設定

労働時間 割増率
所定労働時間超~法定労働時間以下の労働 1.00倍
法定労働時間超 1.25倍
法定外休日労働(法定労働時間以下) 1.00倍
法定外休日労働(法定労働時間超) 1.25倍
法定休日労働 1.35倍
深夜労働 0.25倍
割増残業(月60時間超過分) 残業時間は割増率1.25倍で支払うため、割増率0.25倍を上乗せ支給


【勤怠】労働時間を法律通りの割増率にあわせた項目の作成


カスタムデータ項目設定

ホーム画面「設定」内[画面表示]>[カスタムデータ項目設定]>[日別/月別]タブ>[新規作成]をクリックします。
「日別データ項目登録」および「月別データ項目登録」画面にて、それぞれ以下の内容を設定し、カスタムデータ項目設定を作成してください。

カスタム項目:日別

10項目を作成します。

カスタム表示コード カスタム表示名 計算単位 オフィスステーション 勤怠の項目
001
所定内
時間
所定時間
深夜所定時間
002
法定内時間外
時間
所定外時間
深夜所定外時間
003
時間外
時間
残業時間
深夜残業時間
004
深夜
時間
深夜所定時間
深夜所定外時間
深夜残業時間
休日深夜所定時間
休日深夜所定外時間
休日深夜残業時間
005
法定外休日
時間
法定外休日所定時間
法定外休日所定外時間
法定外休日深夜所定時間
法定外休日深夜所定外時間
006
法定外休日時間外
時間
法定外休日残業時間
法定外休日深夜残業時間
007
法定休日
時間
法定休日所定時間
法定休日所定外時間
法定休日残業時間
法定休日深夜所定時間
法定休日深夜所定外時間
法定休日深夜残業時間
008
不就労時間
時間
遅刻時間
早退時間
欠勤時間
009
総労働時間
時間
労働合計(休暇みなし除く)
休暇みなし時間
010
休憩時間
時間
休憩時間

※「丸め単位(分)」「下限値(分)」の設定は不要です。


カスタム項目:月別

11項目を作成します。

カスタム表示コード カスタム表示名 計算単位 オフィスステーション 勤怠の項目
001
所定内
時間
所定時間
深夜所定時間
002
法定内時間外
時間
所定外時間
深夜所定外時間
003
時間外
時間
残業時間
深夜残業時間
割増残業時間1
割増深夜残業時間1
004
深夜
時間
深夜所定時間
深夜所定外時間
深夜残業時間
休日深夜所定時間
休日深夜所定外時間
休日深夜残業時間
割増深夜残業時間1
005
法定外休日
時間
法定外休日所定時間
法定外休日所定外時間
法定外休日深夜所定時間
法定外休日深夜所定外時間
006
法定外休日時間外
時間
法定外休日残業時間
法定外休日深夜残業時間
007
法定休日
時間
法定休日所定時間
法定休日所定外時間
法定休日残業時間
法定休日深夜所定時間
法定休日深夜所定外時間
法定休日深夜残業時間
008
割増残業
時間
割増残業時間1
割増深夜残業時間1
009
不就労時間
時間
遅刻時間
早退時間
欠勤時間
010
総労働時間
時間
労働合計(休暇みなし除く)
休暇みなし時間
011
休憩時間
時間
休憩時間

※「丸め単位(分)」「下限値(分)」の設定は不要です。


【給与計算】割増賃金を計算するための設定(給与規定)

給与計算機能での設定について、ご説明します。

支給グループ

メニュー[基本設定]>「支給グループ」タブ >[新規追加]をクリックし、支給グループを作成します。

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補足
作成した支給グループは、各従業員に対して、設定が必要です。
メニュー[従業員データ]> 対象従業員を選択 >「本人/家族情報」タブ >「給与支給情報」カテゴリの「支給グループ」


1日の所定労働時間、1年間の所定労働日数

メニュー[従業員データ]> 対象従業員を選択 >「本人/家族情報」タブ >[編集]をクリックし、「時間外手当」カテゴリの「1日の所定労働時間」、「1年間の所定労働日数」を設定します。

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勤怠項目

メニュー[基本設定]>「勤怠項目」タブをクリックし、既存の項目を編集する場合は、[編集]をクリック、新たに項目を作成する場合は、[新規追加]をクリックし、項目を設定します。

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勤怠データ連携設定

メニュー[基本設定]>「データ連携」タブをクリックし、勤怠データ自動連携およびカスタム項目のマッチング設定をおこないます。

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支給項目(割増項目)

メニュー[基本設定]>「支給項目」タブをクリックし、既存の項目を編集する場合は、[編集]をクリック、新たに項目を作成する場合は、[新規追加]をクリックし、項目を設定します。

R02718_1881_16


「計算式」および「割増率」については、下表の内容を参考に、貴社の運用に合わせてご登録ください。

支給項目名 計算
単価 計算対象の勤怠項目 割増率
割増手当 法定内時間外 割増時給単価(当月) 法定内時間外 1
割増手当 法定内時間外 割増時給単価(当月) 時間外 1.25
割増手当 深夜 割増時給単価(当月) 深夜 0.25
割増手当 法定外休日 割増時給単価(当月) 法定外休日 1
割増手当 法定外休日時間外 割増時給単価(当月) 法定内休日時間外 1.25
割増手当 法定休日 割増時給単価(当月) 法定休日 1.35
割増手当 割増残業 割増時給単価(当月) 割増残業 0.25
不就労控除 控除時給単価(当月) 不就労時間 1

※日給月給制の場合、「所定内」の労働時間は基本給に含まれているため割増項目を作成していません。


給与計算

作成した「支給グループ」を選択し、給与計算をおこないます。

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注意点
給与計算例については一例ですので、貴社の就業規則や給与規定をご確認ください。

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