1. オフィスステーション Pro
  2. 導入事例

導入事例

複数システムを使い分け、4名体制でも「切羽詰まらない」社労士事務所に


社会保険労務士事務所サポートオフィスさとう
代表 佐藤 惠さま

導入前の課題
  • 業務量の増加に耐えられる体制作り
  • 自己投資のための時間を作ること
  • 電子申請の作業効率化
継続活用の決め手
  • 画面の見やすさ
  • 操作のしやすさ
  • システムの安定性
導入効果
  • 少人数で多くの手続きをおこなえるように
  • 電子申請にかかる時間の削減
  • スキルアップのための時間を創出できたこと
活用方法

事務作業の効率化で自己投資の時間を増やし、「お客様としっかりと関係を築ける」社労士事務所へ

導入事例集をダウンロード
INTERVIEW

デジタル化によって「切羽詰まらない」事務所作り

まずは「社会保険労務士事務所サポートオフィスさとう」について教えてください。

佐藤さま弊所は2009年に開業し、現在は4名で運営しています。顧問先数は全体で約50社、手続きだけでいうと30社ほどです。顧問先の規模はさまざまですが、手続きが頻回になる100名超規模の企業が数社あります。

事務所内の有資格者は私ひとりなので、従業員を増やすことも考えるのですが、社内でデジタル化や業務効率化を進めることで、今のところ「切羽詰まる」という状況にはならずに運営できています。

有資格者1名、従業員3名の事務所で100名規模の企業を数社担当されとなると、作業数が多くなると思います。「切羽詰まらない」状況を作るために、どのように効率化されていますか?

佐藤さま社内にSEプログラマーが1名在籍しており、その方にデジタル化や効率化の部分をお願いしています。システム導入のほか、人事評価の仕組みについても自動化してもらうなどしています。

また給与計算や手続きといった「処理数が増えるほど作業時間が増える」業務については、複数のシステムを導入して作業にあたっています。

システムの活用について、詳しく教えてください。

佐藤さま弊所は申請や手続きのほか、就業規則の作成においても複数のシステムを使っています。ソフトによって特徴があるので、使用用途や現場の課題、顧客に合わせて使い分けていますね。

なぜ複数の社労士向けシステムを使っているのか?

申請・手続きにおいては、どのような経緯で複数のソフトを使われるようになったのでしょうか?

佐藤さまもともと私はe-Govを使って手続きや電子申請をおこなっていたのですが、当初はちょっとした入退職手続きにも3日かかるような状態でした(笑)。もう少し電子申請の部分も効率化したいということで、「オフィスステーション Pro」とは別のソフトを使い出し、さらに「オフィスステーション Pro」を導入し、複数のソフトを平行して走らせている状態です。

新しいソフトを導入するとなると、現場の方もはじめは抵抗感があると思います。現在は「オフィスステーション Pro」を広く活用されていますが、導入から活用までの流れはどうだったのでしょうか?

佐藤さま私がトップダウンで強く指示したことはないので、担当者が自然と活用していった形ですね。

ソフトによって特徴はさまざまで、たとえば「この機能が特にすごい」という特徴を持つソフトもあれば、「画面の見やすさ、使いやすさが突出している」という特徴を持つものもあります。

「オフィスステーション Pro」は画面の見やすさや使いやすさが突出しているので、現場も自然と「手続きについてはオフィスステーション」という形に収まったのだと思います。一方で、顧客数としては多くないのですが、「オフィスステーション Pro」導入前から別ソフトで給与計算をおこなっていたので、そちらの顧客に関しては給与計算と同じソフトで手続きをおこなっています。

現場の使いやすさという点で、手続きについては「オフィスステーション Pro」を使っていただいているんですね。そのほかに使いわけのポイントはありますか?

佐藤さま:顧客側が対応できるか、にもよります。

複数のソフトを使うと、企業の窓口の方に二重・三重に作業をお願いする形にもなりかねません。それに対し、ほかのツールでの効率化をご提案できるかや、顧客側がご提案を受けてくださるかにもよります。

社労士向けシステムで考慮すべき「安定性」について

では使いやすさや機能性以外の点について、システムに求めるものはありますか?

佐藤さま:システムの安定性については、しっかり見ていく必要があるとは思います。業務の中心となるシステムですから、そこが稼働しなくなると、復旧までの間、何日も業務そのものがおこなえなくなることもありえます。

「オフィスステーション Pro」の場合は、そのあたりはどうなっているのですか?

「オフィスステーション Pro」はAmazonのクラウドコンピューティングサービスである「Amazon Web Services(AWS)」を利用しています。AWSをはじめとするクラウドコンピューティングサービスは拡張性が高いことを特徴としていて、アクセス負荷が高まる繁忙期などにはサーバーの容量を上げています。

あとは、クラウドのリソースを1カ所に集中させるのではなく、複数個所で展開することで、何かトラブルが発生してもサービス自体に影響が出にくい仕組みにはなっています。

佐藤ま:なるほど、そのような仕組みになっているのですね。先ほどと重複するのですが、システムにはそれぞれ特徴があります。料金体系や機能性、使いやすさ以外に、「オフィスステーション Pro」のような安定性を担保する仕組みも踏まえる必要があるとは思います。

価格競争ではない社労士事務所になるためには

お話は変わりますが、佐藤さんは社労士以外にもさまざまな資格を持たれています。開業はどういう経緯だったのでしょうか?

佐藤さま:社労士事務所を開業する前に数回転職をしています。新卒で百貨店に入社しましたが、店頭業務などがメインでしたので、大学では簿記を学び資格を取得したものの、バックオフィスについては不知でした。給与明細を見てもまったく意味がわからず、最初の転職後にバックオフィスも担当することになったとき、必要な知識を体系的に学ぶための手段として社労士資格を知りました。その後、不動産鑑定士事務所などで「士業」の魅力を知り、別の転職でバックオフィスを担当した際に、社会保険労務士資格を取得しました。

「バックオフィス担当としての知識を深める」というところに、きっかけがあったのですね。では2009年に開業してから、これまでで力を入れてこられたことは何でしょうか?

佐藤さま:「自己投資」と「効率化」です。開業した翌年に出産したので、しばらくは一人で事務所を運営し、育児と仕事を並行する期間が続きました。生後半年から日中は子どもを保育園に預けて仕事し、21時に子どもの寝かしつけと一緒に仮眠し、2時過ぎに起きて朝まで仕事……という感じだったんです(笑)

子どもがいることが幸せで苦労はあまり感じていなかったのですが、一方で、仕事は回るものの、次のステップに進めない……という状況でした。日々を終わらせることだけで仕事が広がらないというか。

より人の役に立ち、社会に貢献するには、今のやり方ではだめだと感じました。企業から求められることに場当たり的に対応するのではなく、自分に投資して能力を向上させ、自分から提案していく力が必要だと。

限られた時間のなかで、そのように自分を向上させるには、事務作業を効率化し、時間を捻出して勉強していくしかないという考えから、業務効率化への意識は強くなりましたね。

社労士事務所における手続きの効率化は、最終的に「処理数を増やす」方向と、「一社あたりに提供するサービスの付加価値を高める」方向があると思うのですが、佐藤さんの場合はどちらでしょうか?

佐藤さま:それでいうと後者ですね。社労士業務において価格競争するのではなく、勉強や人脈を含めて自分に投資し、「社会の役に立つ」という自負を持って仕事をしたいと考えています。

もちろんこのようなやり方だと、価格面での比較で離れていかれるお客様もいます。ただ、知識や経験といった意味で自分を高めていけば、他社より価格が高くても、しっかりとお客様と関係を築けると思っています。

「どうすれば仕事でよいご縁を得ることができるのか?」という点にお悩みの方も多いと思うのですが、そこに対するアンサーの一つが「自分を高める」ということなのだという印象を持ちました。では、将来に向けて、現在、力を入れていることは何でしょうか?

佐藤さま:ひたすら自分に対する投資を続けています。アウトプットを念頭におきながら勉強会やセミナーに参加し、インプットし続けるような。

もちろん行政の動きや法改正についてもですが、最近でいうと、会話型AIのChatGPT等の業務利用やSDGs・ESGを活用した職場環境の改善など、幅広いトピックについて情報を収集していますね。信頼できる情報源をもとに、「これから社会では何が求められるようになるのか」を考え続けています。

確かに、社会の変化に伴い社労士に求められる仕事の内容が変化していると聞きます。それでいうと、今後、企業が社労士に求めることはどのようなことになっていくと考えていますか?

佐藤さま:企業の在り方は時代とともに大きく変化していて、昔は「会社という組織のために個人がある」というかたちでしたが、今は「個人が活躍できる場として組織がある」という認識も広まっています。

経営者さんの中にはこのような社会の変化をふまえて「従業員のための取り組みがしたい」と考えられる方もいますが、何でもかんでもやってあげてしまうと、組織の統率が取れなくなってしまう可能性があります。

重要なのは組織と人の成長を考えた「会社のルール」を、法律のバックアップを得ながら作っていくことだと思います。これらのルール作りを支援する役割が、今後の社労士に求められるのではないでしょうか。

このような将来に対応するためには、スキルアップが必要です。このスキルアップを実現するために、引き続き事務所における業務の効率化とアップデートを進めていく考えです。

本日は貴重なお話をありがとうございました!