1. オフィスステーション Pro
  2. 導入事例

導入事例

「10人の壁」を超えて職員が長く働ける社労士事務所を作るために


あかね社会保険労務士法人
山中さま

導入前の課題
  • 従業員の離職を減らすこと
  • 一人当たり生産性の低さ
  • 労働時間が長いこと
導入の決め手
  • 業務フローそのものを変えられること
  • 公文書の取得などの時間削減が図れること
  • システムで「顧問先とのつながり方を変える」点
導入効果
  • 環境改善によって「10人の壁」を突破
  • 全員が「顧問先担当者」にアップグレード
  • 一人当たりが受け持つ顧問先が増加
活用方法

顧問先に「手続き代行」と同時に「業務改善」を提案したり、顧問先との関わり方を変えることに活用

導入事例集をダウンロード
INTERVIEW

一人当たり生産性を約1,000万円にするために

まずは、あかね社会保険労務士法人について、教えてください。

山中さま:私はもともと企業の人事部で管理業務全般をおこなっていたのですが、2009年に開業しました。最初の1年半は一人で事務所を運営していたのですが、第二子の妊娠をきっかけに「一人では無理だ!」と感じ、一人目の職員を雇い入れました。その者がとても優秀だったことをきっかけにはずみがつき、少しずつ人を増やして今に至ります。現在は職員が12名おり、一人目の職員は右腕として統括部長になっています。

事務所の特徴としては、主となるお客様を「50名から500名の企業」と絞っていることです。新しいサービスの開発をおこなうときも主となるお客様のためのサービス拡充をおこなっています。

現在の顧問先数や、顧問契約の内訳を教えてください。

山中さま: 顧問先数は50社程度です。同規模の社労士事務所さんに比べると顧問先数自体は少ないのではないかと思います。内訳としては労務相談が半分、もう半分が労務相談+アウトソーシングですね。

では、現在の売上や生産性についてはどうでしょうか。

山中さま: 売上としては約1億円で、一人当たりの生産性は1,000万円弱だと思います。

一人当たりの生産性が1,000万円弱というのは、社労士事務所のなかでも額が大きいと思うのですが、これは意識して伸ばされてきたのでしょうか?

山中さま: 確かに生産性の向上は意識をしています。

統計上の社労士事務所の一人当たりの生産性は700万円弱ほどだと思うのですが、これでは低い給与水準にならざるを得ません。当事務所の職員は「先生」という立場で企業の人事担当者に指導するのですが、指導する顧問先企業様の担当者より給与水準が低いということが起こってしまいます。このあたりのいびつさを何とか解消したいとずっと考えていました。

そのような考えを持たれる、きっかけとなったことはあったのでしょうか?

山中さま:よく「10人の壁」と言われるところですが、当事務所も右肩上がりで組織拡大したのではなく、停滞期がありました。大量離職などは起こらなかったのですが、当時、退職していく職員を見るのは、やはり精神的につらかったです。職員の処遇水準を上げ、働きやすい環境を作ることで、このような状況を改善したいという思いがありました。

「職員の給与を高くするにはどうすればいいのか?」という発想から生産性向上を意識されだしたのですね。では、実際に生産性を向上させるためにおこなったことを教えてください。

山中さま: 一つが、先ほどと重複しますが、ターゲットの選定です。小規模のお客様がダメというわけではないのですが、企業規模がばらつくとどうしても生産性が下がります。また、企業規模が大きくなることで単価を上げることもできます。あとは業務改善も絶えず進めています。「オフィスステーション Pro」を始めとするシステム導入による業務改善は、かなりの効果を感じています。

生産性を上げるための「業務改善」の流れ

生産性を上げるためには業務改善が必要になり、「オフィスステーション Pro」の導入に至ったのですね。

山中さま:そうですね。それがちょうど2017年ごろだったと思います。

では当時は、手続き業務のどのような部分で大変さを感じておられましたか?

山中さま: 私は直接手続き業務に携わっていなかったのですが、職員とどの業務を改善するべきかを話しているときに、公文書の取得と企業への送信に時間がかかるという話を聞きました。

当時使っていたソフトは、公文書のダウンロード先として事務所のサーバーを直接指定できなくて、一度個人のPCにダウンロードして、ファイル名を書き替えてから、共有サーバーに移すという業務フローだったんです。一つの作業自体にかかる時間は5分ほどなのですが、それが1日100件あったら8時間かかりますよね。なので、専属の担当者がずっとその作業をし続けているという感じになってしまいます。手作業なのでミスも発生しやすく、何とかしたいとのことでした。

そのときに「オフィスステーション Pro」の話を聞き、これなら業務フローを変えることができると感じ、導入を決めました。

ソフトを移行するうえで、ほかの製品との比較検討はされましたか?

山中さま:特にしなかったです。既に2つの業務ソフトの使用経験があり、かつ課題が明確でした。また、オフィスステーションなら課題を解決できるとわかっていたので。加えて、「お客様とのつながり方を変える」というオフィスステーションのメッセージが、「これから社労士事務所はこうならないといけない」という私のイメージにフィットしていたというのもあります。

「オフィスステーション Pro」の「社労士事務所は企業にアカウントを発行することによって、担当者が入力したデータをそのまま利用できる」という部分ですね。このようなアカウント発行について、現在、御社ではどのような状況でしょうか?

山中さま:アカウント発行については、ソフト移行のタイミングで全顧問先に対して一気におこないました。

そうなんですね。アカウント発行を成功させるための工夫などは何かありますか?

山中さま:伝え方としては、まずすべてのお客様に「当事務所ではアウトソーシングに『オフィスステーション Pro』を使います」とお伝えし、マイナンバー情報の収集や雇用契約の締結などがプラットフォーム上でおこなえることや、企業側の業務がラクになることといったメリットを説明しました。そのうえで、アカウント発行にかかる費用などは請求せず、逆にもし連絡票やFAXなどでのやり取りを引き続きおこなう場合は値上げをさせていただくお願いをしました。その結果、「値上がりしていいから紙にしてほしい」というお客様はなく、全顧問先様のオフィスステーションへの切り替えが完了しました。

業務効率化の結果、「全員が顧問先担当者」にアップグレード

では、ソフトの移行についてはどうでしょうか? 難しかった点はありますか?

山中さま:今ではさまざまなクラウドサービスを使っているのでわかるのですが、当時はまだ経験があまりなかったので、API連携に戸惑いました。給与ソフトと連携する際にデータが重複してしまう事態が発生するなどして、「なぜ!?」と悩んだりしました。

その問題はどのようにして解決されたのでしょうか?

山中さま:オフィスステーションのサポートに聞いたり、事務所での業務手順をそろえたりすることで解決しましたね。何もかもスムーズに導入できた、というわけではなく、「社労士側の使い勝手のよさやラクさ」だけを求めたらソフト連携をしなくていいので旧ソフトの方がよかったかもしれません。ただ、「お客様とのやり取り」を考えると、ソフト移行の価値はあったと思います。

そう言っていただけてうれしいです。では、ソフト移行後、業務はどのように変わりましたか?

山中さま:公文書にかける作業の手間がなくなったので、その点に関しては大きく業務改善しました。また、給与明細についてもオフィスステーションでWeb化したので、紙作業がなくなったことによる業務効率化も図れましたね。紙の給与明細の封入や配付は、なかなか負担に感じていましたから(笑)

あとは、労務手続きにおける入力作業が激減したのも感じています。入社手続きがあったら「1日の仕事がすべて情報入力」ということも起こっていたのですが、企業側に入力してもらうことで、このようなことがなくなりましたから。

業務改善した結果、どのような形で生産性は向上しましたか?

山中さま:一人当たりが受け持つ顧問先が増えたことと、補助者が不要になったことで、一人当たりの生産性が向上しました。事務作業だけをおこなう補助者がいる社労士事務所も多いと思いますが、現在、当事務所には補助者がいません。業務効率化をおこなった結果、「全員が顧問先担当者」という形でアップグレードできました。

これから「淘汰されない」社労士事務所としての在り方とは?

そのように組織をアップグレードされた先で、社労士事務所としては、これからやっていきたいことはありますか?

山中さま:お客様とのかかわり方を変えていくこと、です。

手続きのアウトソーシングに対するニーズ自体は消えないと思うのですが、「企業に情報を送ってもらって、それを入力・手続きして情報を返す」といった従来のアウトソーシングの形は、これから淘汰されていくと考えています。実際に「情報を送るのが面倒」という企業の声も多く、「手続きを代行するだけ」の価値はなくなっていきます。ただ、同じ手続きアウトソーシングでも、お客様企業の「人事のペーパーレス化」から関わることで、手続き代行に加えて業務改善のお手伝いもできます。

また、アウトソーシングを希望されない企業様でも、労務業務に手を取られていて人事施策にまで手を回せていない企業も多くあります。そんな企業様に人事システムの導入支援を通じて、人事部の業務改善のお手伝いもしています。人事部の業務改善が進めば、重要だけれど緊急ではない、人材育成や人事評価などに注力する時間を作ることができます。

このように、お客様のニーズに合わせて並走できる社労士事務所の形を目指しています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!