社労士の価値向上の空気を感じて法人を設立
2023年にMoffy社労士法人を立ち上げられましたが、その経緯について教えてください。
長島さま:私側の事情を話しますと、まもなく独立20年を迎え、個人事務所の限界を感じていました。法人化させて規模感を大きくしたい一方で、手続き関係を電子化により効率化させても、1号業務を抱えている以上、コンサルティング業務をやるマンパワーは残っていないとも感じていました。こうした中でアックスコンサルティングからお話しをいただき、今に至ります。

奥原さま:アックスコンサルティングでは、税理士から「良い社労士いませんか?」と聞かれることが度々ありました。給与計算を頼みたいというのが主な理由ですが、当時は、長島社会保険労務士事務所に労務相談の依頼をしていました。
社労士支援をする立場から、近年はブラック企業に対する風当たりも強くなり、社労士の価値がだんだん上がっていると感じていました。こうした事情から、今後ビジネスを広げると同時に業界を盛り上げていきたいと考え、長島社会保険労務士事務所にお声がけし、Moffy社労士法人を立ち上げました。

両者が手を取り合うカタチでの立ち上げということですが、現在の事務所規模感や顧問先の特徴について、教えてください。
五十里さま: アックスコンサルティングの従業員は約140名で、顧問先は120社ほどになります。Moffy社労士法人はまだ立ち上がったばかりですので、現在は長島の業務をアックスコンサルティングのスタッフ数名が手伝っている状態です。営業は私や奥原が担当しています。

長島さま: 顧問先の業界特徴は、特にありません。今後について考えているのは、社労士業界は助成金が盛り上がっていますから、助成金申請支援を入口として、就業規則の作成や人事・労務コンサルなど多岐にわたる支援をおこなっていければと思います。
オフィスステーション導入の目的は「健康保険組合の電子申請」
長島さまは、オフィスステーションを5年ほど前から導入いただいていると思います。当時導入を決めたきっかけを教えてください。
長島さま: もともとは、マイナンバーの管理方法を考えている中で、「マイナンバーステーション」を導入したのがキッカケです。その後、オフィスステーションで健康保険組合の電子申請が始まり、マイナンバーステーションでも良い印象だったので、そのままオフィスステーションを選びました。
オフィスステーションを導入する前のシステム環境はどのようなかたちでしたか? また、オフィスステーション導入時は、他社との比較はおこなわなかったのでしょうか?
長島さま: 当時、電子申請に使っていたシステムはe-Govのみです。導入時は、数社の同業他社と比較しました。ただ、他社のシステムを操作したところ、画面が見づらかったのですが、それと比べてオフィスステーションの分かりやすさがズバ抜けていました。今は機能が増えていますが、当時から操作性のみならず視認性と言う点でも高く評価しています。
それ以外に、決め手となった部分があれば教えてください。
長島さま: 料金の安さは、当時から選定理由の一つではありました。また導入後の話になりますが、サポートが従前から手厚くスピーディーなので大変ありがたいです。今まで大きなトラブルもなくスムーズにやれており、とても助かっています。
現在、オフィスステーションの使用している機能と、満足している機能について教えてください。
長島さま:現在は、マイナンバーと電子申請部分のみ使用しています。給与計算ソフトのデータ連携も検討しています。
満足している機能は、やはりオフィスステーション導入のキッカケでもあった健保組合の電子申請です。紙から電子に切り替えたので、時間も10分の1ほどに短縮できていると思います。また、お客さまからかなり喜ばれている点も特筆すべきことですね。
お客さまが便利さに感動し、「オフィスステーションは何でもできる」と思われてしまい、こちらのハードルが上がって困るのですが(笑)。該当する企業からはいつも喜ばれるので、それだけ職員の方々が大変な目に合われているのだろうなと感じています。
導入当時を振り返ると、長島さまの事務所では、マイナンバーの顧問先導入が非常にスムーズだった印象があります。社労士の中にはクラウドを使用するのが不得意な先生も多いなか、顧問先への導入をスムーズに進められた秘訣はあるのでしょうか?
長島さま: 特別な秘訣はなくて、「ちゃんとクラウドで管理した方がこんなメリットがありますよ」と明確に理由を伝えていたことくらいでしょうか。ただ、当時から顧問先とは、クラウド上でデータ共有する他社サービスを使用していました。こうしたやり取りをしていたからこそ、マイナンバー管理導入時も、抵抗感なく業務に組み込めたのではないでしょうか。
「スタッフを1人雇うよりも顧問契約した方がお得だ」と思ってもらえる支援を
現在、Moffy社労士法人は、長島社会保険労務士事務所とアックスコンサルティングの強みを合わせながら、成長を狙っているところかと思います。その戦略に対して、オフィスステーションをどのように活用していくかなど、お決まりのことがあれば教えてください。
長島さま: 現在は電子申請とマイナンバーを中心に利用していますが、オフィスステーションには給与計算や協定届など、この数年でさまざまな機能が追加されました。今後は、これらのうち、いくつかの機能を厳選して、顧問先へのプラス提案に変えていければと思っています。
最後に、御社の今後の目標などありましたら教えてください。
五十里さま:大義的な部分で言いますと、社労士業界の規模は 現在800億円と言われています。これは10兆円と言われる税理士業界の足元にも及ばない数字です。今の時代は、人や労働に対する注目が高まっていることを踏まえると、社労士業務はもっと儲かって良いビジネスだと考えます。しかし、業界には“安く請け負う風習”があり、足かせになっています。こうした空気を変え、社労士業界の規模感を5倍にも10倍にも増やせたらと思っています。
自社の目標は、直近5年で売上10億円を目指しています。具体的には、手続き代行といった今ある業務から視野を広げ、高単価のビジネス展開を目指したいと考えます。たとえば、「人事や事務スタッフを1人雇うよりも、Moffy社労士法人に頼んだ方がいい」と思ってもらえるような支援をおこなうことで、新しいカタチの社労士の使い方が顧問先はできると思います。 こうした支援から、売上規模を伸ばしていけたらと考えます。
本日は、ありがとうございました!