- ①労務や給与業務におけるミスの発生
- ②社労士事務所への委託によるコスト増
- ①労務の内製化によるコストの大幅削減
- ②情報の連携と自動化が進んだ結果によるミス発生率の低下
- ③新たな労務課題(ペーパーレス化など)への取り組み促進
労務業務でとくに注力しているのは「ミスをなくすこと」
はじめに、貴法人の事業内容について教えてください。
新田さま : 淳風会では子育て支援・高齢者支援の2つの事業をおこなっております。代表的なものとして、子育て支援事業では大阪に保育所を3か所、認定こども園を1か所運営しています。高齢者支援事業では、特別養護老人ホームを3か所、ケアハウスを2か所、そのほかショートステイやデイサービス、訪問介護のサービスなどもおこなっています。
全施設・事務所の職員数は計500名超とのことですが、人事・労務業務でとくに注力されている点、気を付けている点を教えてください。
新田さま :
当法人では、基本的な職員対応を各拠点に任せており、労務手続きの部分を本部が一括して担当しています。注力しているのは、「ミスをなくすこと」です。
労務手続きでは、ひとつのミスが大きなトラブルに発展し、担当者が修正に手間取る……ということが少なくありません。このような事態になると、当然ながら職員にも不便をかけてしまいますので、少しでも「わからない」「怪しい」という点があったら各拠点の総務に確認することを徹底しています。
拠点との連携を密に取られているということですね。そのほか、ミスをなくすために、取り組まれていることはありますか?
新田さま : まさにこれからお話するところなのですが、「オフィスステーション」の導入も、ミスをなくすための対策の一環として検討を開始しました。
そうだったんですね! 「オフィスステーション」導入前は、どういったご状況だったのですか?
新田さま :
2022年まで、給与業務ほか労務手続きの大半を社労士事務所に委託していました。
ただ、給与業務において、ミスの発生が多かったのです。委託してもミスが出てしまうようなら、いちどフローを見直して内製化も検討していこうという話になりました。
また、コスト面の課題もありました。
オフィスステーション導入の決め手は「シームレスな連携」と「帳票の多さ」
現在では「オフィスステーション 労務」「オフィスステーション 給与明細」「オフィスステーション 年末調整」をご導入いただいておりますが、どういった順序・流れで導入されていったのですか?
新田さま :
最初に導入したのは「オフィスステーション 労務」です。2022年秋からまずは本部労務内で利用を始めました。その後、「オフィスステーション 給与明細」を2023年4月から導入し、職員へのアカウントも発行しました。
そして昨年の2023年12月には「オフィスステーション 年末調整」を導入しました。
社労士事務所への委託が2023年3月まででしたので、その翌月の4月から本格的に「オフィスステーション」に切り替えた形になります。
内製化を進めるにあたって、「オフィスステーション」以外のサービスは検討されなかったのですか?
新田さま :
4社~5社ほど検討しました。選定にあたり、重視したのは「①クラウド型であること」「②使用している給与計算ソフトと連携できること」、そして「③帳票の多さ」の3点です。
②③において、「オフィスステーション」がほかのサービスより秀でている印象でした。とくに帳票の多さははっきり差が出ていましたね。「これなら、移行後はラクになるだろう」というイメージを持てました。
ありがとうございます! 実際に移行してみて、いかがでしたか?
新田さま :
まず、コストを大幅に削減できましたね。移行前は入職手続きや労災手続きといった業務を私と総務の2名で対応していましたが、移行後は内製化に伴い労務・総務担当をもう1名増員しました。それでも、現在の方がコストを抑えられています。
また、社労士事務所への委託を辞め、手続き業務や給与業務を社内でおこなっても、業務負担がそこまで増えなかったことも印象的でした。手続き業務については委託元を挟まず、ワンストップで処理できるようになり、手続きのスピードが大幅に早まったことも導入してよかったポイントです。
当初課題視されていた「ミスの発生」に関しては、その後はいかがでしたでしょうか?
新田さま :
おかげさまで、ミスもだいぶん減りました。当法人では、他社の給与計算ソフトや勤怠管理ソフトを使用していますが、「オフィスステーション」がこれらのシステムともシームレスに連携できていることの影響が大きいとみています。
以前は、給与支給日に「給与明細がWeb上で公開されていない」ということもあったのですが、そういったことも一切なくなりました。
「オフィスステーション」の導入により情報連携と自動化が進んだ結果、ミスやトラブルが減ったと認識しています。
よかったです! 職員の方々の反応はどうでしたか?
新田さま : どんなシステムも新しく導入する際は、多少のトラブルは発生するものだと思います。たとえば、「オフィスステーション 給与明細」の導入時は、ログインやパスワードに関連する問い合わせがやや多かった印象です。
そうだったのですね。その状況は、どのように解決されたのでしょうか?
新田さま : 各拠点の総務の方にも協力してもらいながら、その都度正しいやり方をアナウンスしていきました。「職員の方はここで戸惑うのか」と明らかになった点について対策していった結果、現在では問い合わせは殆どなくなりました。
2023年は「オフィスステーション 年末調整」もご利用いただきましたが、導入時に苦労した点や大変だった点はありますでしょうか?
新田さま :
「オフィスステーション 年末調整」への移行はとてもスムーズでした。ログインは「オフィスステーション 給与明細」と同じ情報でおこなえますので、職員の方々が慣れてきたのもあると思います。
全体的に苦労した点は少なく、職員からも「これまでの年末調整システムよりも分かりやすかった」という声をいただきました。
当法人では紙とデジタルの年末調整を並行していましたが、「オフィスステーション 年末調整」の導入に伴い初めてデジタルの年末調整を経験した職員からは「楽だった」「意外にうまくできた」というご意見をいただくことが多かったです。
職員によりよい環境で働いてもらうために
ご評価いただき、嬉しいです! 「オフィスステーション 労務」から「オフィスステーション 給与明細」、そして「オフィスステーション 年末調整」を導入した現在、新たに取り組もうとされていることはありますか?
新田さま :
労務関連では、資格手当や付与手当の申請など、まだ紙でおこなっている手続きが多くあります。これらのペーパーレス化を「オフィスステーション 労務」を使って進めていきたいですね。紙だとどうしても抜け漏れが発生しやすくなりますので。
私個人の活動でいうと、以前よりも時間的な余裕を持てるようになったので、離職対策や財務業務なども始めています。
人事・労務のほか、財務もご担当されているのですか?
新田さま :
はい。これまでは労務フローの体制整備もあって労務面を見ることが多かったのですが、今後は給与体制の改造も検討していきたいと考えています。
職員によりよい環境で働いていただくうえで、労務、財務両方からのアプローチは不可欠です。職員の「人」に関わる部分は労務担当として引き続き見ていきつつ、財務担当として「組織」の全体的な予算管理にも着手していく予定です。
すでに新しいお取り組みを進められているのですね! 最後に、貴法人の人事・労務部が大切にしていることや、「目指す姿」を教えてください。
新田さま :
冒頭のお話に戻りますが、「ミスなく」「迅速に」が一番大切だと思っています。労務手続きはすべて人に関わることですので、ちょっとしたミスが大きな問題に発展することもあります。
また、保険証の発行や傷病手当、労災などの書類は、1日でも早く職員の方々の手元にあったほうがよいでしょうし、そうするべきだと思います。
職員の方々にとってより働きやすい環境にしていけるよう、仕組みや体制だけでなく、一つひとつのコミュニケーションも大切にしていきたいですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました!