- ① 総務業務で大量の紙が発生していたこと
- ② オフィスステーションとは別の年末調整システムは導入していたが、効率化ができていなかったこと
- ③ 入退職手続きや契約更新において教職員とのやりとりが煩雑になっていたこと
- ① 紙の管理が激減
- ② -1 修正・差し戻し作業も大幅に効率化
- ② -2 年末調整では「教職員からの問い合わせ」が激減
- ③ -1入職手続きの作業全体が前倒しに
- ③ -2 人事・給与システムへの入力や確認が不要になることで人為ミスを防げるように
まずは事業内容について教えてください。
多田さま :
本学院は「学校法人」として、「関東学院大学」のほか、関東学院中学校・高等学校、関東学院六浦中学校・高等学校、関東学院小学校、関東学院六浦小学校、関東学院六浦こども園、関東学院のびのびのば園を設置しており、総合的な教育機関として運営しています。
私は総務部人事課の係長として、こども園から大学までの人事・労務・給与などを担当しています。
そうすると、総務部は法人全体の教職員に関する業務を扱うことになると思うのですが、何名ぐらいの人員で、どのくらいの規模の教職員を支えておられるのでしょうか?
多田さま :
教職員は約2,000名です。それを支える人事・総務・経理担当者は20名前後です。ただ、教員の研究費や予算の管理などもあり、総務の業務として広くとらえるともう少し人数は増えるかと思います。
大学ならではの総務業務があるのですね。今回、「オフィスステーション 労務」に関しては2,100名で導入されていますが、正規・非正規の方を含めた全教職員にご利用いただいているイメージでしょうか?
多田さま : はい。教職員約2,000名分と、今後、教職員が増えることを見据えて少し多めに登録しています。
では、オフィスステーションの導入のお話に移っていきます。2022年に「オフィスステーション 労務」と「オフィスステーション 年末調整」を導入されていますが、導入を検討されたきっかけは何だったのでしょうか?
多田さま :
当時はオフィスステーションとは別の年末調整システムを導入していたのですが、あまり効率化が実感できず、「別の年末調整システムに変えたい」と考えていたんです。
どのような点で「効率化できていない」と感じられていたのでしょうか?
多田さま :
当時使っていたシステムは、いわゆる年末調整の用紙が、そのままシステム上で表示されるようなものでした。ですので、教職員は紙の年末調整と同様に、「どこに何を入力するのか」という点で悩むことが多かったようです。そのため、年末調整時期の問い合わせは減りませんでした。
また、当時のシステムは修正作業が教職員本人しかおこなえないものでした。内容修正のためには差し戻しが必要でしたので、何度も煩雑なやり取りが発生し、「紙の配付や回収はなくなっても、教職員とのやり取りが減らなければ大きな効率化につながらない」という印象でした。
効率化のために年末調整システムを変えようと考えているときに、人事・給与システムのエンジニアの方から「オフィスステーション 年末調整」を紹介してもらい、「これなら効率化できそうだ」と感じたのがきっかけです。
「年末調整をもっと効率化したい!」という部分にきっかけがあったのですね。同時期に「オフィスステーション 労務」についても導入されていますが、こちらはどうでしょうか?
多田さま :
本学院の教員は、専任教員をはじめ、他校との兼任をされている非常勤講師がいます。また職員も専任職員、年俸制職員、臨時職員など、幅広い職種でご勤務頂いております。このため、入退職の手続きや、契約更新の手続きが煩雑になっており、以前から「将来的にはこのあたりをシステム化したい」と考えていました。
「オフィスステーション 年末調整」の導入について営業の方とお話しているときに、「オフィスステーション 労務」ならこれが実現できると知り、導入を決めたという流れです。
そうだったんですね。システム導入については、おそらく他社比較をされたと思うのですが、比較した点や、重視した点を教えてください。
多田さま : 比較したのは「コスト」と「段階的な導入ができるか」です。他社システムは、さまざまな機能が一つの製品にまとまっていたため、ほしい機能以外も製品に含まれ、その分価格が上がる仕様でした。オフィスステーションを選んだのは、「システム化したい業務だけを」「段階的にシステム化できる」という点が大きかったです。
では、選定後、実際に導入する際に難しかった部分はありますか?
多田さま :
特に難しかった部分はなかったですね。
本学院でも一般企業と同じく予算を中心に考えていきます。パッケージ型のシステムを全教職員に導入しようとするとやはりコストが大きくなるのでハードルが上がりますが、オフィスステーションならピンポイントでシステム導入できますので、低コストになり、新しい予算を確保することなく、既存の予算内で導入できました。導入はかなりしやすかったという印象です。
「これまで紙だったものがデジタルになる」ということに対し、反対される方や、懸念の声はありませんでしたか?
多田さま : 無料トライアルに申し込み、実際にデモを使ってもらうことにより、上司や同僚も「すごく使いやすい」「分かりやすかった」という反応でしたから、その点は安心しました。
多田さま :
また、年末調整については、実際に「オフィスステーション 年末調整」を導入されている学校法人にお話を伺えたのも大きかったです。やはり学校法人は一般企業とは異なる部分が多く、「企業の事例をそのまま参考にはできないのでは?」と感じていました。しかし、他校の導入事例について生の声を聞くことができ、「ここに気を付けるべきなんだ」「これなら大丈夫そうだ」と踏み切れたというのはあります。
たとえば、他校の担当者の方は、「メールアドレスをマイページに登録するまでが一番大変」とおっしゃっていました。そこで、本学院では「基本的には大学が発行しているメールアドレスを登録させてもらう」「別のメールアドレスを希望する方のみ個別に収集して登録する」といった方法を採用しました。
そのような形で導入し、実際に年末調整をデジタル化したことで効果などは感じられましたか?
多田さま :
削減時間などの試算はしていないのですが、体感として、全体的な作業スピードがかなり速くなったのと、「作業しやすい」と感じました。
先ほどもありましたが、以前使っていた年末調整システムでは、教職員とのやりとりを効率化できませんでした。しかしオフィスステーションの場合は、システム上に年末調整の用紙が表示されるのではなく、質問に回答する形式ですので、教職員が迷うことが少なかったようです。また、誤入力の箇所については、本人の確認を得つつ、こちら側で修正できるので、そういった部分でも大幅な効率化が図れました。
そのようなお話が聞けてうれしいです! では、「オフィスステーション 労務」について詳しく伺いたいと思います。先ほど入職手続きや契約更新のシステム化を目的として導入されたとありましたが、このあたりについて、部内で発生していた具体的な問題などを教えてください。
多田さま :
本学院はまだまだデジタル化が進んでおらず、多くの作業が紙でおこなわれています。4月からが新年度となっており、このタイミングで入職・退職される教職員が集中するのですが、契約書のやり取りや、私学共済の手続き、給与振込口座の手続きなどで、大量の紙のやり取りが発生していました。
特に、何百名といる非常勤講師に契約書を印刷・封入・郵送するという作業は毎年かなりの負担になっており、「オフィスステーション 労務」を使うことで、年度初めの業務負荷を軽くできるのでは、という思いがありました。
あとは、オンライン契約にすることで、「入職手続きを通じてご提出いただく情報をこれまでより早いタイミングで入手できる」ということも期待し、導入に至りました。
確かに、届出提出までのスケジュールがタイトな入職手続きでは、担当者が苦労されるという声を多く聞きます。「オフィスステーション 労務」については導入で難しかった部分はありましたか?
多田さま :
予算に関していいますと、本学院ではもともとマイナンバーのアナログ管理に、かなりの金額をかけて業者に委託していました。一方、「オフィスステーション 労務」は労務の手続きをシステム化できることに加えて、マイナンバー管理の機能もありますので、マイナンバー管理の予算を「オフィスステーション 労務」の予算に充てました。
「現状だと既存予算ではマイナンバーの管理しかできませんが、オフィスステーションにすると既存予算内でマイナンバーの管理と、年末調整・労務手続きのシステム化のすべてが実現できます」という形だったので、こちらも理解を得やすかったです。
では、実際に「オフィスステーション 労務」を使用された方からは、どのような感想がありましたか?
多田さま :
住所や口座関係、被扶養者等の情報を「オフィスステーション 労務」で教職員から収集していますが、やり取りがスムーズに、これまでよりも速いスピードでおこなえているので、かなり効率化はできているという印象です。全体的に作業が前倒しにできています。
あとは、収集したデータを、さまざまな人事・給与システムと連携して使えるという点がすごくありがたいです。これまでは収集した情報を、これらのシステムに手入力していたのですが、どうしてもミスが発生していました。
「オフィスステーション 労務」だと教職員情報を一元管理し、Excelファイルとしてダウンロードして、さまざまな人事・給与システムに取り込むことができるので、手入力や確認の手間を圧倒的に減らせて非常に効率的です。
システム同士の連携は、オフィスステーションが力を入れている部分ですので、今後も頑張ってまいります! では、今後、多田さまとしてやっていきたいことはありますか?
多田さま :
本学院はまだまだ紙の業務が中心ですので、全体的なペーパーレス化をさらに進めていきたいと考えています。そのために私も日々、情報収集を続けて、デジタル化に向けたさまざまな機会を得るようにしています。
具体的な業務でいうと、住所や扶養親族の変更やといった身上異動についてもオンライン化していきたいです。
また、学校法人は横のつながりを大切にする傾向にあります。本学院が他校の話を聞きながらデジタル化したように、本学院の事例が、他大学を含め、学校法人全体のデジタル化につながればいいなとも考えております。
本日は貴重なお話をありがとうございました!