4,100名を超える従業員への配付・回収・チェックと、多大な労力がかかる年末調整業務
ポラスグループ様の事業概要と、谷津田様の業務についてお教えください
谷津田さま :
埼玉県・千葉県・東京都エリアなどで、新築戸建て分譲住宅、注文住宅、木材加工・販売、分譲マンション、売買仲介、リフォーム、賃貸管理、ライフラインの住まいに関するさまざまな事業を展開しています。グループ会社は埼玉・東京・千葉以外にプレカット工場が茨城県、滋賀県、静岡県、宮城県、佐賀県、愛知県にあります。グループ全体の従業員数は、パートタイマーの方も含めて4,189名(2020年5月21日時点)です。
私が所属する、ポラス株式会社の人事部・人事課は、グループ全体の人事労務関係を担当しています。今回の「オフィスステーション 年末調整」の導入はまず試験運用ということで、約500名を対象におこないました。
グループ企業は全国に展開されていて、さまざまな職種の皆さんがいらっしゃると思います。すべての従業員の人事を担当されるというのは非常にご苦労があるのではないかと想像します。
谷津田さま : 人事課では同一労働同一賃金への対応や有給休暇の管理などもおこなっており、働き方改革のさまざまな法令改正は、私たちの業務に大きな影響を及ぼしています。法令改正など対応を検討しないといけない中で、年末調整をはじめとする労務に関する事務は、書類の配付・回収が非常に大変なので、効率化をしたいと思っていました。
年末調整のどんな業務に負担がかかっていたのでしょうか?
谷津田さま :
4,100名超の全従業員に書類を配付して、すべて回収しなければなりません。提出してもらえない人には問い合わせをします。すべて紙の書類ですので、すごく時間がかかります。
記入間違いのチェックもしなければなりません。間違いがないように、複数名でダブルチェックをするのですが、作業時間がとてもかかります。年末調整は、12月の給与支給までに終わらせなければならず、作業できる日数も限られています。ミスをなくすとともに、時間をかけないでできる方法を求めていました。
紙媒体を手作業で扱っているとミスは発生してしまいますね。年末調整の用紙は白紙で配付されているのですか?
谷津田さま : 事前にわかる情報は印字して配付しています。4,100部以上の案内状と4種類の用紙を印刷しなければならないため、プリンターを占有してしまうこともあります。
年末調整の電子化に特化したシンプルな画面構成や価格、スマホ対応が導入の決め手に
事前印字となると、個人情報保護についても気を使わなければならず、大変だと思います。「オフィスステーション」はどのようにお知りになりましたか?
谷津田さま : 私も、上司の人事部長も年末調整の電子化をしたいと考えており、ネットで検索したり、展示会に足を運んだりしました。そんななか、人事部長が渡してくれた何社かの資料の中に、「オフィスステーション」も入っていたんです。
いくつかのサービスと比較検討されたのですね。
谷津田さま :
はい。でも他社のものは年末調整に特化していないパック製品で価格面が折り合わなかったり、スマホ非対応だったり、あるいは社内のイントラネット以外で使えなかったり、サーバー構築から必要だったりと、なかなか条件が合いませんでした。
今言った条件を全てクリアしていたのが「オフィスステーション」だったので、当グループには「オフィスステーション」がいちばん適していると判断しました。
特に導入の決め手になった点はありますか?
谷津田さま : 画面構成がシンプルで使いやすいことです。これは私たち人事労務の立場でもそうですが、従業員が見る画面もシンプルでいいと思いました。あとは価格面も決め手の一つですね。
「オフィスステーション」の導入について社内で同意を得るためには、どのような調整をされましたか?
谷津田さま :
「オフィスステーション」に限らずですが、「そもそも電子化する意味はあるの?」とか「従業員にメリットがあるの?」という意見がありました。すべての提出書類が電子化されればいいのですが、一部は紙で提出しなければならないという、現在の制度にも問題がありますので。
今までと違って導入時は新しく何かしなければならないということを面倒に感じる人もいるので、今回は新しくするので大変でも2年目からは楽になるという話や、将来電子化が進めば、なお使い勝手がよくなるであろうという説明を上層部におこないました。その結果、今回のように500名程度の試験導入をしてみようということになったのです。稟議には1カ月程度かかりました。
500名分の年末調整処理の効率化により、書類配付と入力作業で10人分もの作業時間の削減に成功
試験導入されて、既存の業務システムとの連携などご苦労はありましたか? また実際に利用して感じたところを教えてください。
谷津田さま :
システム連携は手作業で変換しなければならない部分はありますが、それほど難しくありませんでした。どの項目をどう連携するかという点を理解していれば問題なくできると思います。
使ってみて思ったのは、やはり資料の配付と回収が楽だということです。配付には1週間かかると思って5〜6名人員を配置していたのですが、「オフィスステーション」で対応した人の分は早く終わりました。
配付準備と配送作業で1週間かかっているのですね。回収はどうされていますか?
谷津田さま :
各部署に回収の担当者がいて、2週間後に締め切りを設定し、締め切りが来たらまとめて発送してもらって、私たちのもとに届きます。しかし、一度ですべて回収できるわけではありません。その後は私たちの仕事になるのですが、確認事項や不備があって問い合わせしても回答がなかったりする場合も多いですね。差し戻ししたら返ってこないこともあります……。「オフィスステーション」ならこうした心配がないのでいいですね。
加えて、「オフィスステーション」だと一人ひとりがスマホやパソコンで回答すれば、すぐに私たちが確認できるようになっているので、各種申告書を“回収の担当者に集めて送ってもらう”ことがなくなりました。「オフィスステーション」で対応した人の中には依頼した翌日に入力が終わっている人もいたので、待ちの時間が減った実感がありました。回収した書類のチェック作業自体は従来と同じでした。
「オフィスステーション」を使われた従業員さんからはどのようなご意見がありましたか?
谷津田さま : パソコンやスマートフォンなどの操作が苦手な方からはいろいろと問い合わせを受けたので、同じ入力画面を見ながら説明をする機能が欲しいと思いました。でも社内でアンケートをとった結果、パソコンが苦手じゃない方はとても便利だったと高評価でした。
今回は試験運用でしたが、結果的にどの程度の効果を得られましたか?
谷津田さま : 約4,100件中、500件導入しただけでも大きな業務効率化につながりました。配付作業が楽になりましたし、入力ミスを防ぐためにExcelに2回入力するという作業をしていたのですが、入力自体が不要なのでその負担も減り、作業負荷の軽減につながりました。配付で1日、入力作業で1日と、あわせて2日間くらい削減されました。それぞれ5〜6名が担当しますので、全体では10人分以上の業務効率化ができましたし、配付する紙代や印刷代も削減でき、生産性の向上につながりました。
国税庁のデジタル化の動きに注目しながら効率化を図り、新たな人事施策を企画していきたい
今後、業務効率化によってどのような展開が考えられますか?
谷津田さま : 今回は初めての導入ということもあり、マニュアルを作るなどの負担がかかりましたが、来年はそれがなくなります。そこで新しい福利厚生施策を考案したり、働き方の提案を企画したりするなどの時間に費やしていきたいと思います。
今後の「オフィスステーション」のご活用についてはどのようなご予定でしょうか?
谷津田さま : 試験運用の結果や社内アンケートの結果をレポートして、グループ全体での利用に向けて上申しているところです。
アンケートでは改善点など、ご要望が集まってくると思います。今後「オフィスステーション」に期待されることはありますか?
谷津田さま :
私たちとしては、国税庁の電子化の動きに注目していますので、そこにしっかり対応していってほしいですね。国のほうでも、マイナンバー制度の仕組みが普及していくよう、マイナンバーを活用できる場面が増えていってほしいものです。
はい。国税庁のほうで枠組みさえしっかり固まれば私どもは対応する予定です。マイナンバー活用については情報収集に努めてまいりますが、ほかにも業務効率化のためのAI活用など、ご期待に添えるような仕組みを開発しています。このたびは貴重なお時間をいただきありがとうございました。