- ①社会保険の手続きのため窓口に出向く時間が負担に
- ②郵便での書類送付に年間数万円単位のコストが発生
- ③年末調整のデータ作成および照合作業に3~4名で2〜3日かかっていた
- ④年末調整の従業員への修正・差し戻し作業に時間がかかっていた
- ⑤毎月、給与明細の印刷・封入作業に4人体制で1日半も要していた
- ①社会保険の手続きが電子化され窓口に出向く時間がゼロに
- ②年間数万円単位の郵送費用を削減
- ③年末調整のデータ作成と照合に3~4名で2〜3日かけていたのが2〜3時間に短縮
- ④年末調整の差戻し件数が150〜200件から100件未満に減少
- ⑤給与明細の作業時間が1日半から1時間程度に短縮
業務の多くが紙ベースの作業で現場の負担が大きかった
システム導入以前に抱えていた課題を教えてください。
澤井さま :
年末調整については、申告書の記入内容が理解しにくく、記入欄も狭いため、毎年記入ミスや計算違いが発生していました。
当社は東京以外に福岡、大阪、名古屋、札幌に営業所があり、修正依頼に非常に時間がかかっていました。特に営業担当者は出張で不在のことも多く、担当者は確認と修正依頼に追われ、時間外労働も多い状況でした。
また従業員の入退職が多い3~4月には、申請書の作成や、役所に届出を提出することに多くの時間を割いており、「手続きに追われる」といった状況でした。このような状況も改善したいと考えていました。
オフィスステーション製品の導入経緯を教えてください。
澤井さま : まず2020年9月に「オフィスステーション 年末調整」を導入しました。担当者の負担を減らすことはもちろん、従業員とのやり取りをよりスムーズかつ、リアルタイムにできるようにしたいという思いがありました。その後、2021年4月に「オフィスステーション 労務」、同年8月に「オフィスステーション 給与明細」と、段階的に導入を進めていきました。
導入にあたって重要視されたポイントは何でしょうか?
澤井さま : システム選定時に重視したのは、導入に手間がかからないことと従業員の使いやすさの2点です。複数のシステムを検討しましたが、オフィスステーションは特別なマスターデータの設定が不要で、既存の給与ソフトからのデータをそのままインポートできる点が魅力でした。また、新規導入によって従業員からの問い合わせが増えては本末転倒なので、画面の見やすさも重要な判断材料になりました。
年末調整は差し戻し件数が半減し、大幅な時短を実現

「オフィスステーション 年末調整」を導入した結果、どのような効果がありましたか?
宮崎さま :
従来は3~4名で2~3日かけて年末調整のデータを作成して照合作業をしていましたが、導入後は2~3時間程度で完了するようになりました。差し戻しの件数も、以前は150~200件ほどあったものが100件未満に削減できています。導入から4年目を迎え、従業員も電子申請に慣れてきたので、今後さらに効率化が進むと期待しています。
また、過去のデータが引き継がれるため、従業員の入力負担も軽減されました。オフィスステーションは毎年仕様が改善され、申告画面も使いやすくなっています。サポート機能やキャラクターを用いた説明など、従業員にとってわかりやすい工夫がされている点も高く評価しています。
社会保険・雇用保険手続きの業務効率も劇的に改善
「オフィスステーション 労務」導入の経緯と効果を教えてください。
澤井さま :
最も大きな変化は、雇用保険の手続きが電子化されたことです。
それまでは窓口に手続きに出向いたり、郵送で対応したり、1件あたり2時間程度かかっていましたが、電子化後は即時対応が可能になりました。特に、年度替わりの3〜4月は手続きに追われていましたが、今では迅速に対応できています。
宮崎さま : 経費面でも大きな効果がありました。特定記録郵便での書類送付にかかる郵便代が年間数万円単位で削減できました。また、郵送の手続きから郵便局への持ち込みまで1件あたり1時間、件数が多い場合は数時間かかっていた作業が今では数分で完了します。
「オフィスステーション 労務」ではどのような機能をよく使われていますか?
澤井さま : 2023年のホールディングス化に伴い、グループ企業ごとの切り替えが可能な「ホールディングス機能」を活用しています。当社の既存のシステムには同様の機能がなく、情報を引き継げずとても苦労していたのです。現在は、通常の人事異動期はもちろん、随時発生する転籍にもスムーズに対応できています。
宮崎さま : 従業員から任意の情報収集ができる「ワークフロー機能」も活用することが多いですね。さまざまな申請手続きが効率化できました。たとえば、通勤経路や住宅手当の申請、銀行振込先の変更、名義変更などの手続きを電子化したことで、人事部門への提出がスムーズになりました。システム上で完結するようになって、申請から承認までのタイムラグが大幅に短縮されました。
4名で1日半費やしていた給与業務も1時間ほどに
「オフィスステーション 給与明細」導入の効果を教えてください。
宮崎さま :
給与明細の作業が劇的に改善しました。以前は紙の明細を印刷し、切り離して封入する作業に4名で1日半を費やしていました。同じビルの従業員には手渡し、ほかの事業所の従業員には郵送で対応する必要がありました。現在は給与データが確定してから1時間程度で配信準備が完了します。
休業中の従業員への郵送も不要になり、スマホでの確認が可能になった点も働き方の多様化に対応できる利点となっています。
さまざまな制約の中で働く従業員が長く活躍できる環境づくりを目指したい
デジタル化を進める中で、今後の課題や展望をお聞かせください。
宮崎さま : 法改正など制度面の変更も頻繁にありますが、それを従業員にわかりやすく伝え、正しい申請ができるようサポートしていくことが重要だと考えています。今後も従業員目線に立った業務改善を続けていきたいと思います。
澤井さま :
現在、複数のシステムを活用していますが、システム間のデータ連携がまだ十分とは言えません。今後はデータの一元管理と自動連携の実現に取り組んでいきたいと考えています。
また、近年は多様な背景や事情を抱えながら働く従業員が増えています。健康面の配慮が必要な方、育児や介護との両立を目指す方など、さまざまな制約の中で働く従業員が、長く活躍できる環境づくりを目指しています。オフィスステーションの活用で、在宅でも必要な手続きができる環境を整備し、一人ひとりの事情に寄り添った働き方を支援していきたいですね。