- ①社会保険や雇用保険関係の手続きに膨大な時間発生
- ②年末調整の時期は他部署からの応援が必要
- ③既存システムと新しい労務システムとの連携難航
- ①申請手続きの電子化により月40時間の業務時間を削減
- ②毎月発生する育児休業手続きの進捗管理と申請を効率化
- ③年末調整業務の電子化により約200時間の業務削減
- ④従業員からは「年末調整の手続きが楽になった」という感想
入社手続きや被扶養者の異動手続きの多さが人事総務課の業務負担に
はじめに、主な事業内容と、人事総務課の構成について教えてください。
中川さま :
アート引越センターは、引越事業を主に展開しており、全国に166の拠点を置いています。従業員数は、アルバイトを含めて約4,000名です。
私の所属する人事総務課は、現在12名で運営しています。内訳は総務系業務を担当する者が4名、人事・労務系業務を担当する者が8名です。
約4,000名の人事・労務業務を8名で担当されているのですね。特にどの業務に時間がかかっていますか?
中川さま :
当社では毎年4月に多い時には300名以上の社員が入社するため、特に入社手続きに時間を要しています。
特にオフィスステーションに移行する2018年までは、雇用保険関係の手続きの際に毎回ハローワークの窓口へ出向く必要があり、1回あたり2~3時間かかっていました。
また、弊社は被扶養者の異動が多く、月に50件以上の申請が発生することもあって、これらの対応も課内の大きな業務負担となっていました。

「オフィスステーション 労務」の導入を検討されたのは、そうした理由からでしょうか?
中川さま :
はい。課内では以前より「労務管理システムの導入が急務」と考えていました。
ただ、当時は当社のセキュリティ要件が厳しく、データを外部のサーバーに保管する形式の「クラウド型システム」の導入が難しかったのです。
ただ、2018年頃から当社内でも電子化の機運が高まり、またクラウドサービスの普及と信頼性の向上も相まって、「クラウド型システム」への許容度も高まったため、労務管理システムの導入を検討することになりました。
「既存システムとの連携実績」が選定の決め手
システム選定の際に、「オフィスステーション 労務」を選ばれた理由についても教えていただけますか?
中川さま :
当社は他社の給与システムを使用しているのですが、労務管理システムを導入する際にこの給与システムとの連携がスムーズにできるかが重要なポイントでした。
3社ほど検討しましたが、「オフィスステーション 労務」では連携実績がなかったものの、担当者の方の連携の実現に一緒に取り組んでいただける姿勢が頼もしかったこともあり、選定させていただきました。
また、他社サービスと比べて「オフィスステーション 労務」はコストパフォーマンスにも優れていたことも、決め手の一つでした。
ありがとうございます! 社内での稟議はスムーズに進みましたか?
中川さま : はい。稟議の際は、担当者の方が親身に対応していただいたことをアピールし、また予算的にもかなり抑えられての提案が可能でしたので、問題なく承認を得られました。
「オフィスステーション 労務」で月40時間の業務削減を実現
実際に「オフィスステーション 労務」を導入されてからの効果について、お聞かせください。
中川さま :
導入効果は、すぐに現れました。
まず、雇用保険手続きの電子化に伴って「(ハローワークの)窓口に出向く必要がなくなった」というのが大きな変化ですね。
そのほか紙ベースの処理や郵送の手続きもなくなったこともあり、課内の業務時間はひと月あたり40時間ほど削減されました。
それまでは書類を印刷して手書きで作成して、郵送または受付窓口へ出向く──、という感じでしたので。もう、以前の業務には戻れないですね(笑)。
そのほか、「オフィスステーション 労務」でよく使う機能はありますか?
中川さま :
育児休業給付金の「アラート機能」を重宝しています。
当社では男女ともに育児休業を取得する従業員が多く、各給付金は2カ月ごとに申請する必要があるため、毎月手続き業務がある状態です。「アラート機能があるから、遅延なく進められている」と感じています。
育児休業を取りやすい環境を構築すると、総務の業務量が増加するという関係なのですね。
中川さま :
確かにそうかもしれません。当社の育児休業の取得率は、5年前から比べると1.5倍ほどになっています。これに加え、育児休業を取れる期間は法改正と共に延びていますので、人事総務課がこなさないといけない手続きの量は取得率以上に増えている状況です。
かといって人事総務課の人員をどんどん増やすことも難しいので、オフィスステーションを活用した業務効率化が今後はより重要になってくると考えています。
2019年に「オフィスステーション 労務」を導入されて、その翌年には「オフィスステーション 年末調整」も導入されていますが、効果はいかがでしたか?
中川さま :
「オフィスステーション 年末調整」による電子化の効果も、非常に大きかったです。
以前はすべて紙ベースでの対応だったこともあり、年末調整の時期になると、ほかの部署から応援を頼まなくてはならない程の忙しさでした。この時期、課内のスタッフは皆遅くまで残業になることが多かったです。
「オフィスステーション 年末調整」を導入してからは、書類のやり取りから入力まですべてデータでおこなえるようになりましたので、期間内の業務時間は全体で200時間ほど削減できました。
具体的に、どのような点において業務削減ができたのでしょうか?
中川さま :
まず、電子化によって給与システムへの手入力や郵送の手間が省けた点です。それから、従業員からの問い合わせ対応がかなり減ったことが挙げられます。
書類を紙ベースで進めていたときは、従業員から「(対象欄に)何を書くべきか分からない」という問い合わせが非常に多かったのです。
ですが、「オフィスステーション 年末調整」では何を入力すべきか都度説明がありますので、迷わず書類作成ができます。「画面の指示に沿って入力を進めれば、完成できる」という点がとても好評でした。
また、以前までは記載内容の不備があった場合は各拠点の所属長を通して確認する必要がありましたが、従業員に直接聞けるようになった点も、業務効率化に大きく貢献できています。
「オフィスステーション 年末調整」を導入して、今年(2024年)で4年目になるのですが、従業員のシステムへの理解と親しみやすさも深まっているように感じています。
従業員全員が本来の仕事に集中できる環境を作ること
「オフィスステーション 労務」「オフィスステーション 年末調整」によって、業務効率化を大きく推進できたとのことですが、更なる効率化に向けて意識していることはありますか?
中川さま :
そうですね。人事・労務手続きでは、現在も一部手作業になっている業務がありますので、それらの電子化も進めていければと考えています。
当社はほかの既存システムとの兼ね合いもあって、現在のところは従業員向けマイページを年末調整のみに使用していますが、「オフィスステーション 労務」でも活用すれば申請書の作成や行政への届出以外に、「従業員との情報のやり取り」もシステム上で可能になるので、いずれは対応して、従業員とのコミュニケーションを活性化していけるといいですね。

ここまでのお話を伺い、従業員の働きやすさに向けて、非常に高い意識を持たれていると感じました。大切にしている考えや思い、目指す姿などがありましたら教えてください。
中川さま :
私たちの仕事は、「お客様のもとにお伺いして引っ越しをお手伝いする」ことです。お客様の人生の大切な節目をサポートする点に対して、全員が全力を注いでいます。
受付担当、営業担当、実際に作業をする引越スタッフ、そして配車を担当するバックオフィスのスタッフまで、みんなが「お客様のために何ができるか」を考えながら取り組んでいます。
そして、私たち管理部門のミッションは、従業員の方々の煩雑な業務をできる限り効率化し、全員が本来の仕事に集中できる環境を作ることです。
サービスはデジタル化できませんが、それ以外の業務効率化についてはDXを積極的に進めており、今回お話した業務のデジタル化や手続きの簡略化もその一例になりますが、よりよい環境にしていけるよう、引き続き取り組んでいきたいですね。
また、 私の部署は「縁の下の力持ち」といいますか、直接支店の方々と会う機会はそれほど多くありません。ですが、そのうえで「信頼して、頼ってもらえる関係を築いていく」ことが大切と考えています。
メールや電話でご連絡をいただいた際は、「困ったときに、必ず助けてくれる存在」と感じていただけるよう対応しており、これが少しずつ浸透していると感じています。
課内の活動については、定年退職後に再雇用された方や、20代の若い社員の方など、年齢層が幅広いメンバーが在籍していますので、私はよく「大家族みたいだね」と表現しています。
それぞれが異なる悩みや時間の使い方を持っていますが、みんなが助け合いながら、プライベートも大事にして楽しく仕事ができるようにすることをモットーにしています。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
以上