- ①スタッフ約1,600名の雇用契約対応に時間・手間がかかっていたこと
- ②大量の雇用契約を少人数の担当者で処理していたため、精度に不安があったこと
- ③雇用契約対応にあたる店長に時間的・心理的負担がかかっていたこと
- ④人事マスタが未整備で、スタッフ情報の把握・更新・管理が困難だったこと
- ①雇用契約対応に関する時間・手間の激減
- ②雇用契約処理の精度がアップ
- ③店舗スタッフがマイページ対応することで店長の時間的・心理的負担が軽減
- ④散在していた人事データを一元化
「雇用契約の管理精度を上げること」と「本社での人事マスタの必要性」からシステム導入
2022年からオフィスステーションを利用されていますが、導入の理由は何だったのでしょうか?
小林さま :
導入の理由は大きく2つありまして、一つは雇用契約の精度アップと効率化、もう一つはきちんとした人事マスタ(従業員情報のデータベース)が必要だったためです。
まず雇用契約の電子化から話しますと、導入以前は1,600名ほどの対象者に対し、すべて紙で対応していました。しかも、やり方が非常にアナログで、人事が用紙を印刷して配り、面談するという方法だったんです。
管理上の精度の低さが問題になり、まずは雇用契約を漏らすことなく更新できるような仕組みが必要ではないかと考えました。
また人事マスタについてですが、弊社は給与業務を外注している兼ね合いで、元々、人事に関するマスタのシステムを持っていませんでした。
しかし会社が成長を続け、人に関するさまざまな施策を打つなかで、しっかりした人事マスタを持ちたいという現場の要望から、人事システムの導入を検討しはじめました。
具体的に、どんな場合に人事マスタが必要だと感じられたのでしょうか?
岡田さま : 人事マスタがなかった当時は、情報がさまざまな場所に保管されていました。ですので、従業員についての情報を得るためには、まず「データを探す」という作業から始まり、非常に手間でした。また、データがさまざまな場所に保管されているゆえに更新が一度にできないという問題もありました。いずれも小さなことですが、そういったことが積み重なり、業務が非効率になっていました。
では、各店舗に雇用契約を任せていたことで起こった、具体的な課題を教えてください。
小林さま :
弊社の場合は多店舗展開をしており、短期間のうちに店長が代わることもあるのですが、雇用契約まわりの引き継ぎが複雑になり、店舗側の負担が大きかったんです。また、回収した雇用契約書のチェックも、人数が多いので店舗側の負担となっていました。
あとは、書類の保管に場所を取られるといった課題もありました。
そういった課題解決のツールとしてオフィスステーションを選んでいただいたということですが、導入に関して他社と比較されたときに、どういった点を重視されましたか?
小林さま : コスト、使いやすさ、アップグレードの頻度、そしてワークフローです。
労務管理システム導入時に特に重視したこと
特に重視された点を教えてください。
小林さま :
コストと機能のバランスです。私たちが求めていたのは、人事マスタとしての機能、オンライン雇用契約、ワークフローの機能などでした。弊社は給与などの業務を外注しているため、そういった機能は求めていなかったんです。
全体のコストアップなくシステム化するために比較対象となったソフトはパッケージ型が多く、必要のない機能も含まれていました。そこでアラカルト型で業務単位で導入できるオフィスステーションを選びました。
実際に導入されるにあたり、技術的な面を含めて難しかった点について教えてください。
岡田さま :
どのシステムについても言えることですが、初期設定などは少し手間取ることがありました。ただ、メールや電話、オンラインなどで的確にサポートしていただいたので、難しいところを乗り切れました。
オフィスステーションの画面は分かりやすいので、スタッフから複雑な質問はきませんでしたしね。
どのような部分に手間取りましたか?
岡田さま :
設定やページの遷移に関する理解の部分です。ただ、これはシステムを利用する上で少なからずあることなので。
オフィスステーションを始めとするSaaSの場合はいろんな機能がありつつも、「スタンダードな使い方」が明確なので、従業員が比較的シンプルかつスマートに対応できていると考えています。これとは逆に、カスタマイズの自由度が高いシステムはメリットもある一方で、自由度が高すぎるがゆえに「使い方がわからない」ということも起こりえます。
オフィスステーションはいろんな機能がありつつ、画面も見やすいというバランスがいいなと思っています。
店舗の従業員が事務作業ではなく「やるべきこと」に集中できる環境づくりのために
多機能性と使いやすさはトレードオフの関係にありますが、そのバランスをどう取っていくかという部分が重要ですので、そのあたりについてもしっかりと考えつつこれからも開発を続けていきます。では、実際に導入されたご感想を教えてください。
岡田さま : 導入はアルバイト(以下、パートナー)から進めています。本社としては、これまでは店舗経由で回していたフローについて、パートナー本人と本社とが直接やり取りできるようになったことで、ダイレクトに対応できるという点に良さを感じています。
店舗からの反応はどうでしょうか?
岡田さま :
雇用契約がすごく楽になったという声が挙がっています。パートナーも毎日出社するわけではないので、雇用契約書を回収するだけでも大変でした。店長が提出された契約書をチェックして本社に送って、ヌケ・モレがあれば送り直して……というやり取りが続くストレスがありましたが、そこが解消されたと思います。
あとは、電子化することで曖昧だった契約内容を精査し、明確にできました。進捗確認も圧倒的にやりやすくなりました。
提出できていないパートナーには本社からリマインドを出しています。店長からも声をかけてもらいますが、全体は本社がコントロールしているという安心感が、店舗側に生まれているようです。
これからは、「人でなくてもできる仕事」はオフィスステーションに任せられると考えています。
スタッフの皆さま一人ひとりの負担を減らし、本来やるべき業務に時間を割ける環境を作るのがオフィスステーションの目指す形ですので、そのようなお話を伺えてすごく嬉しいです。
スープストックトーキョーの人事施策である「働き方開拓」ではさまざまな取り組みをされていますが、そのなかでオフィスステーションを利用される予定はありますか?
小林さま :
過去に弊社で働いていた社員・パートナーの中で希望する方に登録してもらい、バーチャル社員証を発行するという、「バーチャル社員制度」での利用を考えています。
この制度は退職後の方に割引を提供したり、メルマガ配信したり、試食会や社内イベントに招待したりするものですが、ゆくゆくは制度を通じてリファラル採用をおこなうことや、バーチャル社員の方々を組織化するなどのアイデアがあります。
それらのアイデアを実現するための課題が、「過去に在籍したスタッフの情報管理」です。これをオフィスステーションでできないかな、と考えています。オフィスステーションは退職後もマイページを保持できますから。
また、このような取り組みのためには、個人情報をセキュアな状態で管理したいので、その部分にもオフィスステーションが合っていると考えています。
デジタル化で数字を可視化し、経営戦略と結び付けられるように
人事部の喫緊の課題だった雇用契約更新は、オフィスステーションを導入していただいて解決したと思いますが、そのほかにデジタルで解決していきたい課題はありますか?
岡田さま : デジタルによって情報を集約することで、今まで何となく感覚でやっていた施策を、きちんと数字を出して対応していけるのではないかという期待はあります。この数字には、「現状を把握するための数字」と「将来に向けての数字」の二種類があり、これらをいかに使えるものにしていくかは課題というか、これから実現していきたい部分です。
小林さま :
たとえば数字を可視化することで、これらを経営戦略と結び付けていく方法も考えていく予定です。
その数値を導き出すために、人事マスタとしてのオフィスステーションを活用するなど、そういう方向性になるだろうと考えています。
では最後に、御社の企業理念「世の中の体温をあげる」の実現に向け、個人レベルで取り組まれていることがあれば教えてください。
岡田さま : 人事・労務チームは基本的に表に出ることがないので、お客さまと日々接する店舗スタッフが楽しく安心安全に働ける環境を作ることですね。それが結果的に「世の中の体温をあげる」役に立つのではないかと考えています。
小林さま : 弊社の場合は店舗で働く方が多いので、パートナーも含めた全スタッフが楽しく働ける状況を作るため店舗に足を運んだり、スタッフと対面で話したりして、顔を見ながら話すという部分を非常に大切にしています。
本日は貴重なお話をありがとうございました!