- ①社内でデジタル化の機運が高まり、対応が急務に
- ②手作業での書類作成や各拠点への郵送が多く、時間とコストがかさむ
- ③担当者と従業員間のコミュニケーションコストの増大
- ①スムーズなデジタル化で郵送費や印刷費を削減し、担当者の負担も軽減
- ②社会保険手続きの作業時間が大幅に短縮
- ③内定者や従業員、他部署との連携が強化される
全国42拠点・2,000名超の体制を支える人事部門の実情
はじめに、事業内容と規模について教えてください。
荘司さま :
株式会社バイタルネットは、主に医療用医薬品や医療用機器、一般用医薬品の卸事業を展開しています。全国に42の拠点と4つの物流センターがあり、従業員数は約2,000名で、そのうち正社員と嘱託社員が約1,200名、パートタイマーと契約社員が約700名です。
最も多い職種は営業職で、次いで事務職や商品職などを配置しています。
約2,000名の従業員に対応される、人事部の構成についても教えてください。
荘司さま :
人事部は合計11名です。そのうち2名はサポート役で、実務を担当しているのは部長を含めた9名です。
内訳としては、部長が1名、採用・研修担当が5名、労務・厚生担当が3名で、全員が本社勤務です。

人事評価システムの導入を機に労務DXをさらに推進
貴社ではDX推進に力を入れていると伺いましたが、「オフィスステーション 労務」の導入経緯について教えてください。
荘司さま :
2020年4月から社会保険と労働保険の一部に電子申請が義務化され、当社でも手続き業務の電子化を進める必要がありました。
はじめにe-Govを検討したのですが、機能面の課題があって専用のシステムを導入した方がよいだろうという話になりました。その中で、「オフィスステーション 労務ライト」は無料でサービスを利用できて、かつ機能面においてもe-Govの課題を対応できていましたので、まずはこれを使ってみようということになったのです。
無償版(労務ライト)から有償版(通常版)に切り替えたのは、何かきっかけがあったのですか?
荘司さま : 有償版に切り替えたのは2024年です。ちょうどそのころは社内でDX推進が本格化し、人事評価システムを導入する話が進みました。有償版の「オフィスステーション 労務」は他社の人事評価システムとも連携しやすく、また入社前の情報収集や、労働条件通知書の送信など、紙業務をまとめてデジタル化できるため、無償版からアップグレードすることに決めました。
1週間かかっていた手続き業務が「1日」で完結できるように
無償版から有償版への移行で改善された点を教えてください。
工藤さま :
有償版になることで機能が増え、一括申請や給与データの取り込みなどができるようになりました。たとえば「高年齢継続給付」の手続きは、以前は紙を用いた作業で3日〜1週間かかっていたのですが、電子化したことで公文書のダウンロードや本人への公開まで含めても1日かからないほどに短縮されています。
また、「労働条件通知書」が電子交付できるようになったのも大きな改善点です。当社では新卒採用を年間60名、中途採用を年間40名ほどおこなっていますが、この際に紙や郵送でおこなっていた情報のやり取りが不要になり、遠方の拠点の方々ともスマホやPCで内容を確認・承認できるようになりました。
導入時に苦労されたことはありますか?
工藤さま :
「労働条件通知書」のフォーマット作成や承認フローの設定など、新しい仕組みを整えるのに時間がかかりました。
実際に試作したものがイメージ通りにならず、オフィスステーションのサポート担当の方とやり取りを重ねることで、完成形まで仕上げることができました。
荘司さま : 有償版へ移行する際、予算の都合でオプションを付けませんでしたが、新体制の構築にあたり、もっと積極的にサポート(※2)を活用すれば、人事データの整備やマスター登録をスムーズに進められたのではないかと思います。
※2 参考情報:「オフィスステーション 労務」導入支援サービス

「オフィスステーション 労務」では、専門スタッフが定期的なミーティングを通じて、お客さまに最適な運用方法をご提案する『導入支援サポート』(※別料金)をご用意しています。
オリジナルマニュアルの作成や社内研修の実施など、お客さまの状況やご要望に合わせたサポートをおこない、バックオフィス業務のDX推進を丁寧にサポートいたします。
業務効率化によって生まれた時間を、「コア業務」に活用
「オフィスステーション 労務」(有償版)の導入後、具体的にどのような効果を感じていますか?
工藤さま : 手続き業務が効率化されたことで、採用担当としての本来の仕事により多くの時間を割けるようになりました。具体的には、ホームページでの採用広報や、合同説明会向けのスライド作成など、これまで後回しになっていた採用マーケティング業務に、以前より集中して取り組めています。
菅原さま : 私も採用サポートや各拠点のパート採用や雇用管理を一部担当していますが、社会保険や労務関連の作業が減ったおかげで、面接準備や応募者へのフォローなど、本来の採用業務により時間を充てられるようになりました。心や業務に「ゆとりが生まれた」と実感しています。
拠点数が多いこともあり、手続き業務はかなり忙しいと思いますが、業務上どのような工夫をされていますか?
荘司さま :
もともと社内掲示板やメールなどを使い分けていましたが、緊急対応や細かな確認が必要な場合は電話のほうが早いケースもあり、複数の手段を併用していました。
しかし有償版へ移行してからは、「オフィスステーション 労務」のメッセージ機能やワークフロー機能を積極的に活用することで、一斉連絡や進捗確認がさらに効率化されました。結果として煩雑なコミュニケーションを減らすことができています。
有償版に切り替えてから、新しく活用を始めた機能はありますか?
工藤さま :
「高年齢継続給付」や「労働条件通知書」の手続き以外にも、従業員への情報収集で積極的に活用しています。
たとえば内定者アンケートや勤務地希望の確認を、これまでのメールやGoogleフォームから「オフィスステーション 労務」のワークフロー機能に一本化しました。既読状況も分かるため、進捗管理やリマインドがしやすくなり、助かっています。
菅原さま :
「従業員とのコミュニケーションツール」としても利用しています。年間約60名の新入社員に対して、一括で効率的に連絡できるツールを探していたのですが、なかなか満足のいくものがありませんでした。
しかし、「オフィスステーション 労務」では情報収集に加え、「メッセージ機能」によって業務連絡も可能になり、一斉連絡がとてもスムーズになりました。

先ほど「人事評価システムとの連携」についても触れられていましたが、複数のシステムを併用することで、連携のトラブルや機能の重複といった使いにくさを感じることはありませんでしたか?
荘司さま :
システムの連携について特に不満はありません。他社のシステムが主に情報の「アウトプット」を得意としているのに対して、「オフィスステーション 労務」は、従業員からの情報収集を含めたインプットが強みだと感じています。
人事評価システムを導入しても、必要な情報が適切に収集されなければ正しい評価は難しくなります。また、情報収集や取りまとめに時間や手間がかかると、本来取り組むべき業務に集中できなくなってしまうでしょう。
このような課題への対策として、当社では「オフィスステーション 労務」を活用し、情報収集の電子化を進め、効率的にインプットできる仕組みを整えているところです。
現在においてもツールごとの役割分担が明確にできているためで、複数のシステムを併用しても機能が重複することなく、スムーズに活用できています。
内定者や従業員、他部署との連携強化に向けて
最後に、人事・労務の業務で大切にされていることや、今後の展望を教えてください。
菅原さま :
現在、障害者雇用について積極的に取り組んでいます。法定雇用率の引き上げがきっかけではありますが、単なる義務としてではなく、実際に入社した方々が仕事への満足度を高められるような環境づくりを進めています。
同時に、会社の戦力として活躍していただくための体制を日々模索し、情報収集をおこなっています。入社後のケアも丁寧に実施し、今後も継続的なサポートを心掛けていきたいと考えています。
工藤さま : 「オフィスステーション 労務」の導入により業務効率化が進み、採用チームの業務に以前よりも時間を割けるようになりました。私はまだ経験が浅く、面接対応なども現在勉強中の段階ですが、効率化で生まれた時間を自己成長につなげていきたいと考えています。
荘司さま :
当社では、女性活躍や育児支援などの取り組みに力を入れています。たとえば復職に向けたセミナーを実施するほか、専門コンサルタントを招いた社内向けの子育て支援サービスなども提供しています。こうした取り組みは社員のエンゲージメント向上に大切だと考えています。
また、「オフィスステーション 労務」の導入により、採用チーム内や他部署との横の連携が一層深まりました。以前はそれぞれが担当範囲内で完結することが多く、部署間の協力はあまり活発ではありませんでしたが、本ツールのコミュニケーション機能を活用することで、チームの枠を超えた連携が自然と増えています。
今後も、チーム全体で課題に向き合い、新たな取り組みにも積極的に挑戦していきたいですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました!