- ①入職や年末調整の手続きが紙ベースで膨大な時間と手間がかかっていた
- ②県外からの入職予定者に、手続きのため入職直前に来訪を依頼せざるを得なかった
- ③入職前に書類確認ができず、4月以降の手続きに時間がかかっていた
- ④入職書類の郵送にかかるコストと手間が負担になっていた
- ⑤書類の紛失や“出した、出さない”といったトラブルが発生していた
- ①残業時間を259時間、稼働人員5名を削減
- ②Web上で自宅から手続きが可能になり、入職予定者の来訪が不要になった
- ③入職前に書類の提出・事前確認が可能になり、4月以降の手続きがスムーズに
- ④「受信ボックス」機能を活用し、月10件ほどの郵送コストと手間を削減
- ⑤書類の提出状況を、システム上でいつでも確認できトラブル防止に
紙中心の運用が人事・労務と求職者双方の負担に
まずは人事・労務の体制について教えてください。
仲地さま : 人事関連5名、労務関連7名の総勢12名で、約2,300名分の人事・労務業務を担っています。人事関連は入職手続きを、労務関連は給与や給付金などを主に担当しています。
オフィスステーション導入のきっかけを教えてください。
落合さま :
友愛会の中でデジタル推進の流れがあり、人事課でも業務のデジタル化を検討していました。また近年、同業で人事管理システムを導入する事例が増えてきたことが後押しとなり、労務手続きや年末調整のデジタル化を進める決断をしました。
労務手続きに関していうと、特に4月は入職者が多く、業務負荷が高まることが課題としてありました。デジタル化によって入職前から必要書類を確認できるようになれば、4月以降の手続きがスムーズに進むという点は大きなメリットと考えました。
また友愛会は沖縄の地理的特性から県外からの求職者が多いのですが、紙を中心とした運用では、来訪をお願いせざるを得ないケースがありました。私たちの業務効率化を実現するとともに、こうした求職者の負担を軽減できることも導入理由のひとつです。
システム選定の決め手は「コスト」と「既存システムとの連携」
導入を検討するにあたって、どのような点を重視されましたか?
落合さま : 3社ほど比較検討をしました。その中で、オフィスステーションは2,300名の職員数を考えるとコストパフォーマンスが高いことが大きな決め手となりました。現在使用している給与システムとの連携が可能な点も重要なポイントでした。既存システムとの親和性を保ちながら、必要な部分だけをデジタル化できる点は魅力的でした。また、営業の方が非常に親身になり、ご提案をくださったのも大きな理由です。
年末調整で259時間の残業削減と40%の省人化を実現
具体的に、導入後どのような効果があったのでしょうか?
落合さま :
特に年末調整での効果が劇的でした。以前は紙で提出された書類が段ボールに山積みになり、2,000名以上の職員の中から誰が提出していないかを1枚1枚チェックするのが本当に大変でした。
オフィスステーション導入後は、管理画面で進捗状況が一目で分かるようになり、部署ごとの提出状況も瞬時に把握できます。問い合わせがあった際も、以前は山積みの段ボールの中から該当部署の書類を探す必要がありましたが、画面上で即座に確認できるようになり、対応が大幅に効率化されました。
具体的な数値で見ると、紙の年末調整のときは最大連続勤務日数が17連勤、稼働人数12名、残業時間合計601時間でしたが、システム導入初年度は最大連続勤務日数が12連勤、稼働人数7名、残業時間合計342時間まで大幅に改善されました。結果として、残業時間259時間削減(43%カット)と稼働人員5名削減(40%の省人化)を実現しています。
また2年目以降は初年度の情報を引き継げるので、さらなる効率化の効果を期待しています。
宮良さま : 入職手続きでも大きなメリットを感じています。紙の削減はもちろん、郵送コストも大幅に削減され、求職者は自宅からでも申請できるようになりました。また、年末調整と同様に、提出状況の管理をシステム上でできるようになったことも便利だと感じています。
外国人実習生とのやり取りでもオフィスステーションを使用されているとのことですが、いかがですか?
太田さま :
友愛会は、毎年インドネシアから外国人特定技能実習生を受け入れており、実習生の方にも使用してもらっています。導入初年度は、システムに慣れない中での対応となり、通訳の方と一緒に一人ひとりのスマホで操作しながら進めなければならなかったので、時間がかかり大変でした。
ただ、スマホ1台で対応でき、ローマ字入力で変換も可能になるため、紙の書類で漢字を手書きしてもらうよりも、実習生の方々にとっては便利だと感じています。紙の場合、見本を見せながら漢字を書いてもらう必要がありましたが、デジタル化により、その手間が省けました。将来的には、このデジタル化の流れは外国人の方々にとってもメリットが大きいと考えています。
受信ボックスを活用し、月に約10名分の郵送費を削減
よく活用されている機能を教えてください。
宮良さま : 従業員と直接やりとりできるようになる「受信ボックス」機能を、入職前の健康診断の案内や、入社に向けてのご案内書類を送るのに活用しています。中途入職者への書類送付が月平均10名程度発生していたのですが、その郵送作業がなくなりました。公文書のやり取りにも受信ボックスを活用しており、役所からの受け取り作業や職員への郵送作業が不要になっています。
導入後、人事課の工数削減以外で実感できたメリットは何ですか?
落合さま : 提出書類に関する「出した・出さない」のトラブルがなくなったことです。以前は紙の紛失などでトラブルが発生していましたが、システム上に提出履歴が残るため、そうした問題が解消されました。また、産休育休中の職員が、自宅から年末調整の手続きができるようになったことも大きなメリットです。
宮良さま : 先ほど話があったように、手続きのために、就業開始前に一度訪問していただく必要がなくなったことです。求職者の負担軽減に大きく貢献していると思います。
職員の働きやすさと組織の持続可能性を両立させることが重要
これからの人事・労務DXについてどのようにお考えですか?
仲地さま :
現在はタレントマネジメントにおいて、職員がどの部署でどのような業務経験を積み、どのような評価を受けてきたかを可視化したいと考えています。
事業所が5つにわたっているため、各拠点でどのような活躍をし、どういう評価を受けてきたかを見える化できれば、より効果的な人材配置や育成が可能になります。将来的には評価と育成を連携させ、給与に反映できる仕組みを構築したいです。人材開発課との連携も含め、総合的な人材管理を目指しています。
仕事を遂行する上で大事にしていることや展望をお聞かせください。
仲地さま : これからは働き手がどんどん減少し、賃金も上昇していく中で、少数精鋭で効率的に業務をおこなうことが医療界の生き残りのカギになると考えています。そのためにDX化やデジタル化は避けて通れない道ですが、高齢の職員も多いため、ITリテラシーをどう向上させるかが課題の一つです。個人的には、そういった取り組みもできればと考えています。
太田さま : 私は外国人特定技能実習生と障害者雇用を担当していますので、障害の有無や国籍にかかわらず、誰もが長く安心して働ける職場環境を作っていきたいと考えています。一人ひとりの特性を理解し、多様性を活かした組織作りに貢献したいと思います。
宮良さま : 何よりも職員目線を大事にしています。新しいシステムを導入する際に、職員が不安や疑問を持つのは当然のことなので、職員の立場に立って丁寧にサポートすることを大切にしています。オフィスステーションの導入に際しても、職員向けのマニュアルを作成してホームページに掲載するなど、使いやすい環境づくりに継続的に取り組んでいます。
仲地さま : システムの利便性を最大限活かすためには、利用する職員の理解と協力が不可欠です。最終的には、職員の働きやすさと組織の持続可能性を両立させることが重要だと考えています。
本日は貴重なお話をありがとうございました!