- ①年末調整期に稼働が膨張。土日出社で申告書を大量に印刷し、多数の拠点へ配付していた
- ②紙の申告書は誤りが多く、多重チェックが必要だった
- ③紙の控除証明書を1件ずつ確認する作業に大きな手間がかかっていた
- ④13社それぞれで従業員や管理担当者の知識・理解度にばらつきがあった
- ①システム浸透後は約700時間の業務時間削減
- ②従業員の電子的控除証明書利用率が1桁台から約87%へ
- ③多重チェックが1〜2名で完結。確認負荷と心理的な負担が軽減
- ④入力誘導機能で13社の知識レベルを揃え、標準化に前進
全国54拠点・約8,700名の人事手続きを支える業務課
はじめに、貴社の事業内容や、割田さま・矢吹さまが担っていらっしゃる役割について教えてください。
割田さま :
株式会社マーブルは、システムインテグレーションやクラウド開発、ITインフラ、パッケージ開発など、ITソリューションを幅広く手がける会社です。全国に54拠点があり、従業員は約8,700名。2024年10月に、グループのIT企業13社が統合して発足しました。
人事部は、人事企画課・人事課・業務課の3課で構成されており、私が所属する業務課には27名が在籍しています。年末調整や給与計算のほか、入社・退職・異動に関わる手続きをおこない、企業型DC(確定拠出年金)の運用もあわせて担当しています。
2024年にグループ会社が統合されています。大規模な統合では、バックオフィス担当の方が苦労されるケースも多いと聞きますが、その点はいかがでしたか?
割田さま : 「同じ業務であっても、各社でやり方が全然違う」ところが数多く存在していて、統合に向け業務のすり合わせや標準化をすすめるにあたり、何度も話し合いを重ねる必要がありました。一方で、統合前の2021年に導入済みであった「オフィスステーション 年末調整」は、年末調整業務の標準化に大きく寄与したと感じています。
土日出社で申告書を大量印刷、紙の年末調整という課題
「オフィスステーション 年末調整」を導入されるまでは、どのような状況でしたか?
割田さま :
年末調整は年に一度ということもあり、特定の時期に稼働が大きく膨らみます。しかも当時は紙ベースの業務でしたので、多くの拠点への郵送業務も発生していました。日中の営業時間内にプリンターを独占できず、土日に出社して申告書を大量に印刷するなど、稼働(負担)が目に見えて大きくなることが課題のひとつでした。
さらに、当時はちょうどコロナ禍とも重なり、在宅勤務への対応や、感染拡大によって出社できなくなる事態も考える必要がありました。まさに、「待ったなし」で電子化をスタートしなければならない状況でした。
オフィスステーション以外にも、他社のサービスを検討されましたか? 最終的な決め手もあわせて教えてください。
割田さま :
いくつか候補は挙がっていました。比較のポイントは、大きく2つです。
1つ目は、勤務体系の異なる従業員にも対応できることです。当社には自社オフィス以外の客先で業務をおこなう従業員もいますので、全員が支給されているスマートフォンから申請できることを重視しました。当時は、スマホ対応の電子化サービスは限られていました。
2つ目は、個人単位の柔軟な料金設定です。多くのサービスが「何名以上でいくら」「何百名まではいくら」といった大きな枠での契約設定でしたが、オフィスステーションは1名単位で利用料金を設定できました。従業員数の変動に柔軟に対応できる点も選定のきっかけになりました。
また、オフィスステーションのUIのわかりやすさも、グループ全体の大人数に展開するうえでは頼もしいと感じていました。
なぜ初年度から紙を全廃できたのか
導入を進めていく中で、苦労された点や、工夫された点を教えてください。
割田さま :
導入初年度から、紙との併用はせず、一気に電子のみに切り替えました。
とはいえ、利用する従業員も運用する私たち自身もまだ慣れていません。そこで初年度は、使える機能を制限して、「まずは定着させること」を最優先に進めました。当時はグループ各社の管理担当者がいましたので、彼ら向けに操作説明会をおこない、あわせて社内通知も工夫しながら展開してなんとか初年度を乗り切ったという感じです。
2年目以降は、どのように運用を広げていかれたのでしょうか?
割田さま : 段階を踏んで、グループ各社の管理担当者にお願いする範囲を少しずつ広げていきました。よりわかりやすく目的や内容を伝えながら、お任せする──そうやって運用のレベルを一年ごとに引き上げてきた、という形ですね。
業務時間700時間削減、電子化率約87%、土日稼働ゼロ
導入後、定量的にはどのような効果が出ていますか? 印象的だった変化がありましたら教えてください。
割田さま :
数値的なところでいくと、2021年に導入し、翌2022年には、課全体の残業時間を約80時間(35%)削減できました。
紙がなくなったことで、印刷・配付・送付といった作業が一切なくなり、「届いた・届いていない」といったやり取りから解放されました。これまで手計算していた項目も自動計算に変わり、負担が大幅に軽くなった、というのが2年目くらいの印象です。マーブル発足前は、それぞれ別の会社であったこともあり、それでもまだ一定の業務量は残っていたのですが、統合してからは同じ会社の仲間になったということもあり、一気に効率化に向けシフトチェンジすることができました。
具体的には、どのような効率化を実施したのでしょうか?
割田さま :
かねてから「電子的控除証明書を取り入れれば劇的に変わる」とは思いながらも、なかなか全社をあげての推進に踏み切るきっかけがありませんでした。が、統合後、社内も落ち着いてきた2025年に電子的控除証明書の活用推進を押し出した結果、それまで1桁台で横ばいだった利用率が、一気に約87%まで上がりました。
紙の証明書を1件ずつ突合する業務がなくなったことで、私たちのチームでは約700時間の業務時間の削減につながり、土日の稼働も不要となりました。
「オフィスステーション 年末調整」導入によるビフォーアフター|マーブルのケース
| 項目 | 導入前(Before) | 導入後(After) |
|---|---|---|
| 業務時間(課全体) | 年末調整期に膨張 (紙を1件ずつ突合する処理) | 2022年(統合前):約80時間削減 ※オフィスステーション導入の効果 2025年(統合後):約700時間削減 ※電子的控除証明書普及の効果 |
| 紙の印刷配付 | 営業時間中はプリンターを独占できず、土日出社で大量印刷 | 2021年(統合前):システム導入により大量印刷の土日出社が解消 |
| 電子的控除証明書の利用率 | 1桁台%で横ばい | 2025年(統合後):約87%へ普及、土日稼働ゼロ |
年末調整のリーダーである矢吹さまから見て、紙から電子になって一番大きな変化は何でしたか?
矢吹さま :
紙のときは本当に作業量が多くて、2次・3次と何人も何度もチェックして、やっとOKがでる、ということが多かったです。特に金額計算は、人の手だとどうしてもミスが発生しやすいですから。それが電子化されて、少人数体制で進められるようになったことで、チーム全体としてもチェック作業はだいぶ楽になったと思います。
また、土日の出社を含めた長時間労働から解放され、精神的にもかなり変化がありました。さらに、紙の山に埋もれずに済むので、物理的にも解放感を感じています。
業務標準化と、これからの抱負
統合にあたって、「オフィスステーション 年末調整」が標準化に役立った点はありましたか?
割田さま :
マーブル発足時点では、従業員の理解度も、各社を束ねてきた管理担当者のレベル感もバラバラでした。
「オフィスステーション 年末調整」では、ガイドが充実していてUIもわかりやすいので、個人の知識レベルに左右されず、一律の品質で業務を回していくことができます。「オフィスステーション 年末調整」が、業務の標準化に向けたレベル感合わせに役立ったと感じています。
貴社のように、規模が大きく、複数の会社・拠点を束ねる企業に対して、「オフィスステーション 年末調整」はどのように役立つとお考えですか?
割田さま :
年末調整は、限られた期間の中で確実に完了させなければならない重要な業務です。そのため、その限られた時間を事務処理に費やすのか、それとも従業員支援のために活用するのかは、企業にとっても大きな課題だと考えています。特に会社の規模が拡大するほど、事務作業にかかる工数は増加し、本来向き合うべき従業員への対応に十分な時間を確保しにくくなります。
「オフィスステーション 年末調整」のようなツールを活用することで、煩雑な業務を効率化し、作業時間を大幅に削減できます。そして、その結果として生まれた時間を、従業員へのサポートやコミュニケーションの充実に充てられることが大きな価値だと感じています。単なる業務効率化にとどまらず、従業員に寄り添うための時間を創出できる点こそが、「オフィスステーション 年末調整」の大きなメリットだと思います。
同じような課題感を抱いている企業に対して、どのように取り組んでいくとよいとお考えですか?
割田さま : 「オフィスステーション 年末調整」の導入を経験し、最も大切なのはコミュニケーションであると実感しました。現状の課題から目をそらさず、「こうありたい」という未来像を強く抱くこと。そして、それを社内に丁寧に伝え続けていくことが大切だと思います。
矢吹さま : 世の中の働き方や考え方が変わってきた今だからこそ、「これまで長く続いてきた業務を変えるチャンス」があると思っています。企業として守るべきところはしっかり守りながら、人事部門が本来おこなうべき業務は何なのかを掘り下げていく──そうした姿勢が大事なのではないでしょうか。
本日は貴重なお話をありがとうございました!