- ①勤怠と労務で利用するツールが分かれ、一元管理できていなかった
- ②従来の給与ソフトはスタンドアロン型で、手入力・二重管理が常態化
- ③年末調整では、画面を見ながら給与ソフトへ手入力する必要があり、4名×2~3日の入力作業が発生
- ①勤怠・給与計算・労務がワンクリックでAPI連携し、人事・労務データを一元管理
- ②労務担当者1人あたりの処理人数が100名強から約200名へ増加。生産性が約2倍に向上
- ③年末調整における入力作業(4名×2〜3日)がまるごと解消
- ④担当者が育児休業に入っても、増員せずシステムで対応し、当初予算の約8割に収まった
勤怠・給与計算システムを導入した理由と選定の決め手
今回新たに導入された勤怠と給与計算について、導入のきっかけから伺えますか。まずは、勤怠について教えてください。
山﨑さま : 勤怠は、労務と勤怠でシステムが分かれていて、ログイン先や操作も分散していたため、それらを一本化したい、というのが出発点でした。社内の担当者は同じでも、ひとつの情報をシステムごとに登録しなおす手間がありましたし、その都度それぞれにログインする必要もありました。オフィスステーションに揃えて、ログイン先も含めて一元化したい、というのが一番の決め手でした。
給与計算はいかがでしょうか?
山﨑さま : それまでは従来の給与ソフトを使っていて、当社が集めた情報を給与ソフトへ手入力し直す二重管理が残っていました。前回取材いただいた際も「給与システムとの連携が取れていないのが足かせ」「年末調整も画面を見ながら手入力している」とお話ししましたが、まさにその部分です。
他社のサービスとも比較されましたか? 最終的な決め手もあわせて教えてください。
山﨑さま :
クラウドで使える給与計算システムはいくつかあり、1社は最後まで気になっていました。ただ、画面や操作性といったUIの部分で、オフィスステーションにかなうものがなかったんです。中身は良くてもUIが今ひとつ、というサービスは意外と多い。給与計算は管理者が長い時間向き合う業務なので、管理者側のUIは特に重視しました。
加えて、いつも利用しているオフィスステーションに揃えられる安心感も大きかったです。窓口を一元化できることに管理者としてのメリットを感じていましたし、営業担当の方が「こうしたらいいな」という要望を親身に受け止めて、短い期間で実際に反映してくださる。そうしたユーザーの声を反映して改善してくれる姿勢も、決め手の大きな一つでした。
勤怠システム移行でワンクリック連携へ
ここからは導入後の効果を、勤怠・給与計算それぞれで伺います。まず勤怠はいかがですか?
山﨑さま : 一番のメリットは連携です。ボタン一つでAPI連携ができ、勤怠データを給与計算側へ一発で吸い上げてくれる。社会保険手続きなどとの連携も含めて、データが自動でつながるのは大きいですね。
現場の店舗・クリニックからの反応はいかがでしたか?
山﨑さま : 特に問い合わせもなく、スムーズでした。操作性に関しては、現場で改めて教育する必要がなかったんです。移行にあたって現場に負担をかけずに済んだのは、非常に助かりました。
勤怠と給与で別々のツールを使っていたころと比べて、変わった点はありますか?
山﨑さま : 以前は勤怠データをエクスポートしてインポートする流れで、まれに誤ったデータを取り込んでしまうこともありました。今は月単位でしっかり紐づき、別の従業員のデータが誤って取り込まれることも、まずありません。二重チェックの手間も減り、正確性と生産性の両方が上がっています。
給与計算で完成する一元化 ── 生産性2倍・年末調整工数ゼロに
給与計算では、前回課題とされていた手入力・二重管理はどのように変わりましたか?
山﨑さま : 各項目を一括でインポートできるようになったのが大きいです。たとえば通勤費は人事異動が多く毎月のように変わりますが、以前は「○○さんの項目を開いて手作業で修正する」という作業を、対象者ごとに繰り返していました。今は所定のフォーマットに合わせたデータを貼り付けるだけで、一括して反映されます。より効率的に使うために、社内で管理しているデータもオフィスステーションのフォーマットに合わせて作り直しました。
給与計算と年末調整の連携によって、課題にされていた「二重入力問題」はどう変わりましたか?
山﨑さま : 以前はオフィスステーションの画面を見ながら給与ソフトへ手入力していて、その作業に4名で2〜3日かけていました。それが給与計算の導入後はまるごとなくなって、去年の年末調整は本当に感動の嵐でした(笑)。費用対効果はもちろんですが、作業者としての精神的な安心・安全という面での価値がとても大きかったです。
定量的な効果としては、どのくらいの変化がありましたか?
山﨑さま :
弊社はおかげさまでほぼ毎月のように中途社員の入社、及び新規出店をしている状況があり、毎月の入社手続き、昇格(昇給)、人事異動等が発生しております。こういった身上変更の多さもあり、「労務担当1人あたり100名強が限界」と感じていました。ですが、今は1人あたり約200名を処理できるようになりました。生産性でいえば約2倍です。導入していなければ、人員を倍に増やすしかなかったと思います。
「オフィスステーション 給与計算」の導入時は、「システムを導入する」という選択肢のほかに「システムを導入せず人員を増やす」選択肢もありました。そこで、給与計算と、あわせて住民税通知書オプション※1を導入する前提でコスト試算をしたところ、「増員せずにシステム導入する」方が費用対効果が高いという見込みが立ちました。実際、その後は担当者の1名が育児休業に入るなど、実務にあたる人数が減る場面もありましたが、人員を補充することなくシステムの活用で乗り切ることができ、当初立てた予算に対して8割ほどに収まりました
なかでも住民税通知書オプションは、本当によかったですね。以前は住民税の特別徴収税額通知書を紙で受け取って、従業員一人ひとりに配らなければなりませんでした。それが今は、入力・梱包・確認にかけていた作業が2名でおよそ27時間分の削減、また、各店舗へレターパックで送っていた送付コストも68店舗分がまるごと不要になりました。しかも誤送付はゼロ。年に一度とはいえ、効果は想像以上でしたね。
申請ワークフロー機能の活用も広がったそうですね。
山﨑さま : 前回以降さらに増やして、今は約55件のワークフローを運用しています。福利厚生の申し込みや食事補助のチャージ申請、制服の交換・サイズ変更など、幅広く電子化しました。Googleフォームなどと違い、一人ひとりから個別に、かつ情報保護に配慮して申請を受け取れるので、非常に使いやすいと感じています。今後、分岐機能が加われば、複数のフローをまとめてさらに効率化できると期待しています。
「オフィスステーション」によるシステム一元化のビフォー・アフター|ほねごりのケース
| 項目 | 導入前(BEFORE) | 導入後(AFTER) |
|---|---|---|
| システム構成・ログイン | 労務・勤怠・給与計算が別々のシステム。同じ情報をシステムごとに登録し直し、その都度ログインが必要だった | 労務・勤怠・給与計算をオフィスステーションに一本化。ログインも操作も一元化 |
| データ連携 | 勤怠データはエクスポート→インポートで受け渡し。取り違えのリスクや二重チェックの手間があった | ワンクリックでAPI連携し、勤怠・給与計算・労務が自動連動。取り違えが解消し正確性が向上 |
| 給与計算・年末調整の入力 | 画面を見ながら給与ソフトへ手入力する二重管理。年末調整は4名で2〜3日 | 各項目を一括インポート。年末調整の入力作業はまるごと解消(実質ゼロ) |
| 住民税通知の配付 | 特別徴収税額通知書を紙で受け取り、封書へ梱包して68店舗へ送付。二重確認や誤送付の懸念もあった | eLTAXから電子データで受け取り、マイページで配付。作業 約27時間・送付費29,240円を削減し、誤送付ゼロ |
| 労務担当1人あたりの処理 | 100名強が限界だった | 約200名(生産性 約2倍) |
| 人員体制・コスト | 事業規模の拡大に応じて、増員が必要となる水準だった | 担当者が育休に入るなど処理人数が減っても増員せず対応。当初予算比 約8割に収束 |
| 申請ワークフロー | 退職届・交通費・育児休業などの申請を個別に運用 | 約55件へ拡張(福利厚生・制服交換など) |
人事評価・タレントマネジメントへ、採用から労務までの一気通貫構想
労務・勤怠・年末調整・給与計算と利用範囲が広がり、人事部の業務全体はどのように変わりましたか?
山﨑さま :
まず、一元管理ができていることで、これまで業務を担ってきたメンバーが格段に動きやすくなりました。情報がシステムごとに散らばっていないので、探したり突き合わせたりする手間が減り、業務の属人化も薄れてきています。
加えて大きいのが、新しく入ったメンバーへの教育です。昨年も1名が加わりましたが、データが一つにつながっているので「まずはここを見ればいい」と示せる。以前のように「この情報はあのシステム、あれは別のシステム」と覚えてもらう必要がなくなり、立ち上がりがぐっと早くなりました。
今後、力を入れていきたいことを教えてください。
山﨑さま :
採用から人事評価まで、人に関わる領域を一つの基盤にまとめることが目標です。特に直近で力を入れたいのは、人事評価の部分ですね。店舗が増えたぶん、エリアごとに評価を分担し、最終的に一つに集約する仕組みが必要になってきます。
ここは、オフィスステーションのタレントマネジメント機能で実現できたらと考えていて、他のツールやスプレッドシートに頼らず、労務データと同じ基盤の上で完結させられたらと思っています。
労務データに加えて、各院の業績データや個人の評価まで連携できれば、「いつ・どこで・どのような成果を上げたか」を院単位でも個人単位でも見られ、経営判断にも直結します。将来的には、採用管理から入社手続き、労務までを一気通貫でつなげられたら理想的ですね。
人材の定着という観点でも、システムへの期待は大きそうですね。
山﨑さま : 当社は技術職の職場ですから、従業員には長く経験を積んで技術を磨いてほしい、と常々思っています。一方で「きちんと評価してほしい」という声も多く、こうした思いに応えられないと、離職につながりかねません。とはいえ、一人ひとりの日々の頑張りを人の目だけで把握するには限界があります。そこをデジタルツールで補いながら、「いつでも自分の仕事を見てもらえている」という納得感を高めていく——これが、全社の課題として取り組んでいるところです。
最後に。オフィスステーションは「すべての人が本業や、人でなければできないことに集中できる世の中を創造する」をミッションに掲げています。効率化で生み出せた時間や余力を、いまはどのようなことに充てられるようになりましたか?
山﨑さま :
生み出せた余力を、部署内の面談やコミュニケーションに充てやすくなりました。月に一度、部署で食事に行く機会もあり、そうしたコミュニケーションにも余力を生かせています。
また、従業員が安心して働ける環境を守るには、やはり実際に自分たちの目で現場を確認することが欠かせません。ただ、エリアによっては片道100kmほど離れた店舗もあり、足を運ぶには相応の時間が必要です。システムの一元化で余力が生まれたことで、そうした地道ではあるものの大切な業務にも、きちんと時間をかけられるようになりました。そこが一番大きな変化だと感じています。
本日は貴重なお話をありがとうございました。