- ①手作業の年調業務による業務時間の圧迫
- ②担当者の負担過多による労働環境の悪化
- ③残業時間増加によるコスト増
- ①目視や手作業による業務時間の大幅削減
- ②職員・担当者間のコミュニケーションコストの改善
- ③担当者の残業時間軽減とワークライフバランスの向上
人事課のDX推進の一手として「年末調整業務のシステム化」を検討
今回は「オフィスステーション 年末調整」導入インタビューのご協力をありがとうございます。はじめに、お二方の業務内容について教えてください。
山本さま : 主に職員の給与計算や労務手続きなどを担当しています。当係では業務を正規職員と非正規職員に分けて対応しており、私は正規職員を担当しています。
堤さま : 私は係内のマネジメントと、予算管理が主な業務です。そのほか法改正や制度改正があったときに、条例規則の改正・運用への対応もおこないます。
日々の業務で、とくに注力されている点、気を付けている点はありますか?
山本さま : 「細部まで目が行き届くこと」を意識しています。人事・労務業務では、ちょっとした「知らない・気付かない」が大きなミス・トラブルに発展することが少なくありません。職員の方々からの届出や質問・相談の際も、表面的な情報にとどまらず背景に関わる事柄も確認して、対応するようにしています。
堤さま :
業務範囲が幅広いため、業務効率化に向けての「仕組み化」に注力しています。
給与厚生係は、私と山本を含めた5名体制で業務を回していますので、毎月の業務を効率的に進めていかないと完遂できません。
彦根市役所はDX推進を積極的に進めており庁内でも専門の課がありますが、人事課内でもDX推進と業務効率化に向けての取り組みを強化しています。
今回の「オフィスステーション 年末調整」の導入も、DX推進の一環でおこなわれたのですね。
堤さま :
はい。年末調整業務については、以前から「もっと楽に進められる方法はないか」と改善案を模索していました。
外注化も検討しましたが、コストがやや高くなりそうだと分かりましたので、内製によるシステム化を進めるべきだと考えたのです。
2022年当時は庁内でDX推進に向けての取り組みが本格化していた頃でしたので、タイミングが合ったというのもあると思います。年末調整業務のシステム化に向けて調査と要件整理をおこない、予算要求を出しました。
導入の決め手は「料金の安さ」と「スムーズなシステム連携」
2022年から検討を進めていたのですね。当時の年末調整業務は、どのような状況だったのですか?
堤さま :
これまでは年末調整業務をすべて紙ベースでおこなっていたため、非常に業務時間がかかり大変でした。
職員から提出していただく申告書は手書きですので、どうしても記入のミスや漏れが発生します。3週間ほどかけて、かつ2名体制でダブルチェックをしていました。
チェックが終わったあとは、システムへの手入力作業が待っています。入力が正しいかどうかも再度チェックする必要があり、毎年膨大な業務量に圧倒されていました。
とても大変なご状況でしたね……。そのようななか、年末調整業務のシステム化はどのように進められましたか?
堤さま :
年末調整業務のシステム化に関する稟議は2022年に無事通りましたので、2023年の5月から6月にかけて業者選定をおこないました。そこでいくつかのサービスとあわせて、「オフィスステーション 年末調整」について詳しく知る機会がありました。
「オフィスステーション 年末調整」以外のサービスも検討されていたのですね。ご選定にあたり、どのような点を重視されていたのでしょうか?
堤さま :
重視したのはまず「コスト面(料金の安さ)」、それから「スムーズなシステム連携が可能かどうか」です。
「オフィスステーション 年末調整」は、他社サービスと比べて料金が安いことがまず魅力でした。また、無料トライアルで使ってみた際に、現行システムとの連携がとてもスムーズだったのです。データの出力についても、こちらが希望する形式に簡単に設定できました。
実際に運用してみてのご感想は、いかがでしたか?
堤さま :
業務効率が、劇的に向上しました!
3週間近くかかっていたチェック作業は1週間ほどに短縮され、入力作業は自動化によってなくなりましたので、実質70~80%の工数削減につながりました。
それから、年末調整業務による残業の発生もなくなりました。
「もう二度と、紙ベースの作業には戻れない……」と思いましたね(笑)
山本さま :
職員の方々とのやり取りも非常にスムーズになりました。以前までは、申告書に修正箇所があった際に、まず電話での修正箇所の確認から始まり、再作成や再送の手間が発生することも少なくありませんでした。
今では、それら作業のすべてがシステム内で完結できるので、メッセージを送れば、早くて数分で修正後の申告書が送られてきます。また、手直しがあった際の職員の負担も、大きく軽減されたと思います。
よかったです! 職員の方々からは、なにか反応はありましたか?
山本さま :
印象的だったのが、年配の職員の方から「(昨年と比べて)とてもわかりやすくなった」とお褒めの言葉をいただいたことです。
紙ベースの申告書のときは、申告書に書かれている内容を理解すること自体がひと苦労だったそうです。「オフィスステーション 年末調整」では入力すべき事柄が直感的に理解でき、また入力内容自体も紙ベースと比べて少なく済む点がいいとのことでした。
参考:「オフィスステーション 年末調整」の職員側入力画面例
画面の指示に従うだけで手続きが完了。また、前年と同じ氏名や住所情報は自動入力で手間が省ける。
ありがとうございます! そのほか、ご不満や改善についてのご意見はありませんでしたか?
堤さま : 不満の声は、とくに見られませんでした。職員の方々はおおむね満足してご利用いただけていると捉えています。
「全員がまんべんなく業務をおこなえ、フォローしあえる体制」を目指して
ポジティブなご感想を多くいただけて、とても励みになります! 年末調整のシステム化を成功させた今、あらためて業務効率化に向けて考えていること、新たに取り組もうとしていることはありますか?
山本さま : 自身の担当する業務の品質を高めていくことはもちろんですが、守備範囲をもっと広げていきたいと思っています。できることを増やすことで、他の職員のフォローもしやすくなり、結果として課内の業務効率にも繋がると考えています。
堤さま :
「職員間が互いの業務を補えるような体制づくり」を心がけています。
給与業務に関する制度は複雑で、十分な業務知識を習得するまで相応の期間がかかります。複数人で分業するのも手段のひとつですが、分業制は職員が互いの垣根を越えて協力し合うことが難しく、また属人化が進んでしまうリスクもあります。
そのためにも、「業務の標準化」と「職員全体の業務品質の向上」が大切と思っています。
業務効率化のお取り組みによって、実現したいことはありますか?
堤さま :
職員一人ひとりのワークライフバランスが向上することによって、中長期的なキャリアの安定、そして生産性の向上につながると考えています。
人事課の業務は時期によって業務量に大きな変動があるため、繁忙期にあわせて人数を揃えると、それ以外の時期で余剰人員が発生してしまいます。
一方で、少人数のままでは繁忙期に大きな負担がかかります。
そこで私たちが目指しているのは、全員がまんべんなく業務をおこなえ、フォローしあえる体制です。
すぐには実現できないかもしれませんが、DX推進による業務効率化を重ねることで、近い将来必ず実現できると信じています。
本日は貴重なお話をありがとうございました!