三つ折り作業に1日、仕分けに1日、煩雑な業務の見直しへ
まず、御社の事業とメンバー構成について、お教えください。
生嶋さま : 当大学は9学部31学科と大学院10研究科34専攻を有する私立総合大学です。また、法人内には大学以外に3つの附属病院、2つの附属高校があり法人全体の従業員数は約5,000名です。給与に関しては法人全体を人事課の10名が担当しており、コアメンバーは5名です。
バックオフィス部門ではどのような悩みがあり、「オフィスステーション 給与明細」と「オフィスステーション 年末調整」を導入することになったのか、教えてください。
西山さま : 1番の課題は、紙での作業等が非常に煩雑になっていたことです。当大学は従業員数や部署数も多いので、とにかく印刷と仕分けにかかる手作業に時間を費やしていました。たとえば、人事課は印刷と紙を三つ折りにして封書するまでを担いますが、これだけで1人の担当者が1~1.5日かかりきりになります。また各病院に配付するための仕訳作業も1~2日かけていました。 こうした問題を「Web化したら解消できるのでは?」と考えたのが始まりです。
生嶋さま : これと合わせて、当大学はまだまだ紙での運用が多い側面がありますが、「給与明細と年末調整であれば、既存システムに影響が少なく、比較的外部ソフトでの運用がしやすいのでは?」という考えもあり、「オフィスステーション 給与明細」「オフィスステーション 年末調整」の導入検討から始めることになりました。
「他社との見積もり比較でも「アラカルト型」に軍配が上がる」
では、オフィスステーションを選定するにあたり、どのような点を重視して選定したのか、教えてください。
生嶋さま :
オフィスステーションを選んだ1番の理由は「使いやすそう」という点です。合わせて、数千名規模の導入事例があった点も、安心感がありました。
候補システムの中には、紙の年末調整が、ただWeb入力に代わっただけのものもありました。ある程度質問形式で入力サポートがされるという仕様は、非常に良さを感じました。
西山さま : 他社との比較としては、合計6~7社と打ち合わせをし、3社から見積りをもらいました。オフィステーションは「給与明細」「年末調整」の機能毎に利用することができたので、当大学がやりたいことと予算感で見ていくと、自然とオフィスステーションに絞られていったように思います。
社内決裁やシステムとの連携部分では、いかがだったでしょうか?
生嶋さま :
当大学で新たな取り組みを行う際は、実施前年度の7月ごろに予算要望を行う必要があります。そのため導入の1年以上前から導入するシステムの機能や費用の検討を行う必要があり、予算が取れても実際に検討を進める中で、「あれも足りない、これも足りない」といった話になりがちですが、オフィスステーションは、月額利用料と年額利用料が決まっているので、この点については比較的スムーズに準備できたと思っています。
また、当社の給与システムは、独自のシステムを20年近く使用しております。システムとの連携については、オフィスステーションに合わせて連携をどう構築するかという点で考えられたので、そこまで難しさはありませんでした。
人海戦術で対応した周知活動
導入後のお話を伺いたいと思います。導入後、社内対応等が発生したかと思いますが、特に個別対応が必要だった部分などはありましたか?
原口さま : 従業員への周知活動は、想定はしてはいましたが大変でした。現場での仕事が主な従業員などは電子化を行うための周知方法がメールだと伝わりにくいという問題があります。そこで、ポスターやリーフレットを作ったり、各委員会の最後に説明の時間をもらったり、各病院や高校の関係部署と連携を取って周知活動をおこないました。
大内さま : このような対応をしても、オフィスステーションの導入が伝わっていない従業員はいましたので、11月の第2週から個別で電話をし、「Webで申請ができます」と伝えました。「Webでの申請がどうしてもできない…」という従業員もいましたので、そのような従業員には、人事課や各病院・高校の関係部署に来ていただき、PCを貸し出してその場で入力し、担当者がオペレーションするという対応を取ることで解決しました。
細やかなフォローの結果、初年度からスタッフの全員に対して導入を実施できたのですね。では、導入後、給与明細の発行や年末調整の業務は、どのように変化しましたか?
原口さま :
年末調整業務ですと、例年派遣スタッフを雇用していましたが、導入後は派遣スタッフの雇用人数を減らすことができました。また病院の関係部署でも、例年派遣スタッフを雇用しているのですが、今年は雇用せずに対応できました。
年末調整業務においては、紙の印刷や仕分けが不要になるなど、改善された業務も多いですが、逆に増えた業務もあります。「すごく簡単になった!」とは、導入年なのでまだ言えませんが、作業時間は間違いなく減ったと思います。
社内からはおおむね好評! 来年度に向けさらなる社内体制構築へ
では、導入後の社内からの評判については、いかがだったでしょうか?
大内さま :
源泉徴収票については、「いつでも見られるようになってよかった」といった声が、多くありました。また、源泉徴収票は電子化により配付準備にかかる時間が短くなったことで従来よりも早期に配付することができ、確定申告を行う従業員からは喜びの声も聞けました。
ただ、一部の従業員からは、「従来通り紙でほしい!」という声もありましたので、マイページからご自身で出力する方法をアナウンスしています。
年末調整を電子化したことで、起きたミスや、良かった点などはありましたか?
大内さま :
英語での対応をしていないので、外国人の従業員からは、「給与を入力する場所が分からない…」といった問い合わせがありました。また、PCの操作に不慣れな従業員からは入力方法や操作方法が分からないという問い合わせもありました。ただ、全体的に見るとミスの件数は減ったと思います。
よかった点としては、リアルタイムに提出状況が確認できるので未提出者への督促をスムーズに行うことができ、回収率が上がりました。
原口さま :
オフィスステーション内のチャットルームの便利さは、導入後に実感をしました。従来、年末調整シーズンは電話が鳴りっぱなしですが、チャットで回答できますし、同じような質問にはコピペで対応ができ、業務短縮につながりました。また育児休業中や海外勤務中の従業員は、自宅や海外からでも入力することができたのは良かったです。
来年は生命保険料や住宅ローン控除の電子申請にもチャレンジしたいのですが、案内の部分でどこまで浸透するのかなど不安点もあります。今年の学びを活かして、各関係部署と相談して進めていきたいです。
ありがとうございました。今後も皆さまに「あってよかった」と思われるような仕組みを開発し続けてまいります。