12月は”恐怖の月”それくらい煩雑だった紙での年末調整対応
はじめに、御社の事業と従業員数を教えてください。
間瀬さま : 弊社はドラッグストアチェーンを運営しており、直営店が全国に700店舗超、従業員数がパート・アルバイト含め、約13,500名おります。「オフィスステーション 年末調整」の導入前は、毎年紙での処理をしておりました。正直、現場としては12月を“恐怖の月”と呼ぶほど、印刷やチェック、保管といった作業に恐怖を覚えておりました。
とても大変そうな状況がうかがえますが、「オフィスステーション 年末調整」を導入いただいたきっかけは、作業の煩雑さ以外にもありましたか?
間瀬さま :
はい。2020年4月に施行された、特定の法人に対する電子申請義務化の対象企業に弊社が該当したことがきっかけです。それまで、年末調整は外部の社労士に委託をしていましたが、すべて紙での対応だったので作業は膨大な量になっていました。
電子申請の義務化にも該当するし、何かいい解決策はないものかと悩んでいたところ、社労士雑誌でオフィスステーションの記事を見つけ、「とにかく紙をなくせるなら」という思いで相談しました。あれから4年ほど経ちましたが、現在はグループ会社を含めて利用しており、大変助かっております。
導入に向けた決め手や、社内稟議に向けた調整などはいかがでしたか?
間瀬さま :
決め手はいくつかありましたが、オフィスステーションの親身な対応力と、従量課金制というシステムを取っていたことです。
社内理解としては「紙の時代は終わるよ」といったアピールで、ある程度の理解はされておりました。また当時は、年末調整と社会保険の電子申請、両方で困っていましたので、どちらも網羅できるシステムはあるのかという話から始まりましたが、多くの業者が一方のみの対応でした。あったとしても、費用の持ち方が弊社の理想と異なるサービスもありました。
弊社は年末調整の対象にならない従業員も多くおり、従業員数に対して費用がかかると、コストの無駄が発生してしまうので避けたいと考えていました。オフィスステーションの場合は従量課金制で誰に配付するかは自由に決められますので、非常に弊社にマッチした使い方ができたのが決め手の1つです。
初年度はフォローが追いつかず、紙対応ありきのスタートを切る
「オフィスステーション 年末調整」導入初年度の2018年から2021年にかけての御社の遍歴を拝見すると、初年度は紙での対応が520名だったのに対し、2021年度は5名まで減らすことができています。ここに至るまで、どういった取り組みをおこなったのか教えてください。
間瀬さま :
2018年度はちょうど配偶者控除申告書の紙が増える時期だったので、急いで導入をした記憶があります。そのため、端末対応していない方や電子化に納得してもらえない方、また休職者への対応など、フォローがしきれませんでした。2018年度は急いでいた事情もあり、社内イントラネットに告知をすることで周知活動をし、マニュアルと併せて紙の申告書も一緒に掲示をして、紙ありきの力技で始めました。
また、ログインIDやパスワードが、当時は管理しやすいものになっておらず、ログイン時の問い合わせも多かったと記憶しています。数年かけて、こうした問題を解決させてた結果、99.9%の達成ができたと思います。
臨時のパートスタッフの管理・教育も大きな負担に……
では、作業時間の削減についてはいかがでしょうか。紙時代の2,000時間から現在の670時間まで、約1/3の時間になるまでの削減に成功されています。具体的な削減のコツなどあったのでしょうか。
間瀬さま :
1つは、パートスタッフの作業効率の改善があります。
もともと年末調整時期は、パートスタッフを15名ほど臨時採用し、紙の申告書のチェック作業をしてもらっていました。記入ミスや字が読めない方には電話確認をし、弊社基幹システムにも入力してもらうといったのが主な作業でした。しかし、作業が複雑なせいか、2~3日すると音信不通になってしまう方も出てくる状況でして……。パートスタッフの管理や教育、指導といった部分で時間が費やされ、トータル作業時間が増えていた側面もあります。
2018年以降は電子化にだんだんと慣れていった部分も大きいですが、その流れの中で、パートスタッフに求めるスキルが変わっていったのも作業時間の削減に影響しています。
紙の時代は年末調整知識のある方が採用基準でしたが、電子化に伴いPCでのチェック作業(Excel)がメインになった今は、PC知識のある方を求めるようになっています。また、管理・指導時間も削減することができ、2021年は4名の臨時スタッフの採用だけで切り抜けることができました。
「差分抽出機能」と「お読みください機能」を活用し、問い合わせ件数削減に成功
実際のチェック作業の効率化という部分では、どういった工夫をされていたのか教えてください。
間瀬さま :
何より紙から電子になったことが効率化の大きなポイントではありますが、それ以外にもいくつか効率化への取り組みはしております。
まず、スタートの時点でより効率的にチェック作業が進められるよう、元データの情報を最新のものにアップデートするような準備に力を入れています。
例えば、社内の事前準備として、本人情報と扶養情報について、オフィスステーションと基幹システムの差分を抽出し、基幹システムに取り込むような準備をしています。また差分抽出機能を使い、本人情報の障がい者区分をCSVで抽出し、件数が少ない変更については担当者が打ち込みをして、最新の状態に更新をかけるといった準備もしております。
あとは、2021年度からリリースされた、「お読みください機能」のテキストのカスタマイズ設定を活用しています。入力しようと思ったら必然的に目に入る位置にこちらが読ませたいコンテンツを配置できるので、紙で周知しても読んでくれない層に対して、きちんと周知活動をすることができました。
具体的には、「年末調整の対象者が誰なのか?する人って誰ですか?」といった基本的な内容が主で、後日確定申告をおこなう方(年金受給者、住宅購入初年度の方など)は、年末調整をしなくて良いと思い込んでいる方も多かったりします。住宅を買って初年度の人やまた他には、会社の団体保険に加入している方の団体保険料や、社員登用された方のアルバイト時代の源泉徴収票の入力について、該当者は人事で対応しますので入力不要です。といったアナウンスを入れることで問い合わせが減り、作業効率が上がったと思います。
年々改善を重ね、2021年はようやく「全社員に」といった取り組みができるようになったように思います。とはいえ、課題が全くないわけではありませんので、来年も引き続き、より効率的な年末調整業務をおこなえるよう、取り組んでいきたいと思います。