法改正もあり煩雑になった年末調整を、スマートに電子化!
御社事業のご紹介と、導入に至った経緯について教えてください。
安藤さま :
当社は「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営しており、店舗数は全国に約1,260店、うち130店が直営店です。
近年は、年末調整の法改正により書類が増え、管理が煩雑かつ複雑になっていました。直営スタッフの人数は約3,500名ですが、そのほとんどが店舗勤務のパート・アルバイトさんです。勤務地がバラバラな従業員に対し、法改正などの詳細を周知するのもなかなか難しく、一方で世の中は年末調整の電子化が当たり前になりつつありました。こうした流れも踏まえ、当社も年末調整の電子化をしようという話になり、システム検討に入った次第です。
鑓水さま : 年末調整は6名体制で通常業務の合間に取り組んでいます。メンバー構成としては、私が実務のメインを担当し、安藤は他部署への情報共有や全体のサポートを主に担当しています。それぞれ通常業務の傍らでおこないますので、毎年、年末調整の時期はかなり忙しく、煩雑さが課題になっていました。
導入にあたって、最も重視した点や決め手になった点があれば、教えてください。
安藤さま :
まずは、当社の従業員規模にマッチしているシステムかという点です。
もう1つは、私たちの疑問に対して、きちんとしたサポート体制を取っていただけるかという点です。
いくつかのシステムと比較検討しましたが、オフィスステーションは私たちの要望に一番マッチしていて、ここなら安心してお願いできそうだと感じ、導入を決めました。実際、年末調整の開始前に事務レベルでの運用手順や作業、人事システムとのデータ連携のフォローなど、きめ細やかに対応していただき、安心して活用できました。
年末調整を知らない従業員に対して、適切なサポートで素早い運用を目指す
続いて、導入後のお話を伺いたいのですが、パート・アルバイトが多い業種ですと、理解度などの部分で、運用面での難しさがあるという意見も伺います。その点について、壱番屋さまはどのように感じ、どのように対応されたのでしょうか。
安藤さま :
もちろんマニュアルを作成し、従業員に周知する対応はしました。ただ私たちも、導入する前から「紙であろうと、データであろうと、根本的な大変さは変わらないだろう」という割り切りがありました。
当社は学生アルバイトさんが多く、おっしゃる通り、年末調整の目的が分からないまま実施しただろうと感じることも多々あります。またマニュアルを読んでもらっても、その内容が複雑であることに変わりはありません。根本的な大変さは変わらずとも、「紙よりデータで対応した方が書類のやり取りが減る分、楽だろう」というスタンスで取り掛かり、結果「楽になったかな」と感じています。
鑓水さま :
パートさんの方は慣れているのですが、やはり学生アルバイトさんは年末調整の経験が少ない中でデータ入力をするので、驚くようなミスが今年もありました。
例えば、扶養家族の欄に自分の家族の情報を入力していたり、収入と所得の違いが分かっていなかったり。入学年月日の欄に生年月日を入力していた方もいました。1つ1つは笑い話ですが、こうしたミスが例年より少なくなったものの、今年も発生はしていましたね。
安藤さま :
紙での運用をしていた際は、不備があったら本人に直接返却するのではなく、店長や営業所の事務員経由で不備内容を伝えて返却していました。これがデータになったことで、不備内容を本人に直接伝達できるようになり、店長や営業所の事務員は楽になった一方で、ミスの状況を把握できず、「適切なサポートができなくなった」という弊害はあったかもしれません。
とはいえ、電子化したことで「システムの誘導に沿って入力すれば書類が完成する」というシンプルなフローになり、ミスの全体件数は減少したと感じます。
約1カ月の業務前倒しを達成!
当初の目的にもありました、業務の煩雑さの解消には繋がっていると感じますか? ぜひ、具体的な改善工数などが見えていれば、教えてください。
安藤さま :
作業工数を厳密に算出していませんが、かなり改善されたと思っています。もちろん、紙での作業がなくなった分、他の作業が発生した部分はあります。ですが、スケジュール的には、もともと3週間程かかっていた作業が、2週間に短縮されるなど、目に見えて作業工数は減りました。
また、画面での確認が可能になったので、テレワークで対応できるのも、大きな業務改善点です。
鑓水さま :
今までは、各部署で回収した書類を毎週1回まとめて提出してもらい、到着した書類を仕分け、確認をするフローになっていました。これが電子化されたことで、データが提出されたものから随時確認できるようになり、前倒しで作業に取り掛かれるようになった点は大きいです。
年末調整全体の作業でいえば、紙対応の場合、例年11月末まで年末調整をし、そこから人事システムに入力してチェックという流れを取っていました。年末調整計算実行後も書類の保存等、毎年1月末頃まで年末調整の諸々作業をしていましたが、今年はこうした後処理も含め、年内にすべての作業が完了していたので、業務改善に大きくつながっていると感じています。
安藤さま : 店長や事務員も、おそらく差し戻しの際のチェック作業がなくなったので、負担は軽くなっていると思います。来年度はより効率的な運用に改善していきたいと思っています。
ありがとうございました。これからも御社の効率的な運用の支援ができるよう、オフィスステーションの改善を続けてまいります。